NTTは5月16日、画像認識AIを用いて、さまざまな社会インフラ設備に発生した錆を97.5%の精度で検出に成功したと発表した。

画像認識AIは、Mobile Mapping System1(モービルマッピングシステム、 MMS)を用いて取得した沿道の画像から、複数のインフラ設備を識別し、それぞれのインフラ設備(道路附属物および柱上設備)に発生している錆を97.5%の精度で検出できることを確認したという。

  • インフラ設備撮影用MMS

今回の撮影では、MMSで沿道のインフラ設備を一定間隔で撮影し、横向きのデジタルカメラによって道路附属物(ガードレール、標識、ミラーなど)の画像、上向きのデジタルカメラによって柱上設備(金物、ケーブルなど)の画像を取得。

取得した道路附属物の画像1000枚(設備に錆がある画像は587枚)、柱上設備の画像1000枚(設備に錆がある画像は135枚)に対し、画像認識AIを用いた設備の認識と、各設備の錆の検出を行った。

その結果、道路附属物と柱上設備の合計で、画像2000枚中1885枚において設備を正しく認識し(認識率94.3%)、錆がある画像722枚中704枚において錆を正しく検出したという(検出率97.5%)。

画像認識AIによって、MMSで同時に撮影した画像から複数のインフラ設備を一括で識別・点検できるため、インフラ管理者ごとに実施していた現地点検の集約による稼働削減が期待できるという。

さらに、画像認識AIによる点検のため、点検員ごとによって発生していたバラツキをなくし、点検品質の均一化が可能となる。

  • インフラ設備の認識と錆の検出結果