日本電産は5月16日付けで、神奈川県川崎市にある中央モーター基礎技術研究所内に「半導体ソリューションセンター」を設立すると発表した。

同センターの設立の背景について同社は、「半導体不足は2022年中にやや改善が見込まれているものの、世界的な需要増やコロナ禍による生産への影響などによって、半導体産業を取り巻く環境はこれまで以上に先が見通しづらい状況になっている。新たに設立する同センターは、サプライヤーとの戦略的パートナーシップを築き、あらゆるリスクに対応できるサステナブルな半導体サプライチェーンを確立することで、自社製品の安定した生産と供給を実現していく。さらに、主要半導体を内製(外部への開発・製造委託を含む)することにより、地球環境の保全に貢献する高付加価値インテリジェントモータ・ソリューションを提供する」と説明している。

同社代表取締役社長執行役員(COO)の関潤氏は「日本電産が進める部品/部材の内製化において半導体は重要な鍵となり、半導体の内製化が実現すれば今後の成長の柱である“超垂直統合”が可能になる。また、その他の自社製品についても“品質、コスト、納期、スピード、サービス、差別化”が可能となり、サステナブルな事業展開を実現できる」と半導体内製化の波及効果を強調している。

半導体ソリューションセンターの所長に就任する同社執行役員(副CTO)半導体開発担当の大村隆司氏は、元ルネサス エレクトロニクスおよびソニーセミコンダクタソリューションズで車載半導体を担当してきた人物で、2022年2月1日付で、日本電産の半導体事業参入(買収もしくは内製化)の責任者として赴任。「グループの中での半導体ソリューションに対する期待の大きさを実感し、One Nidecとして“すぐやる・必ずやる・出来るまでやる”の精神の下、半導体ソリューションを推進すべく、その一歩である組織新設を実現したことに大きな希望と使命感を抱いている」と抱負を語っている。

同センターは、「ソリューション企画・戦略部」「技術インテリジェンス部」「ソリューション第1部」「ソリューション第2部」が設置され、ソリューション企画・戦略部長は大村氏が兼務するほか、技術インテリジェンス部長には同社プラットフォーム開発センター 部長の長井健太郎氏が兼務する形となっている。