メルカリと東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)は5月16日、フリマアプリ「メルカリ」で取引される商品カテゴリごとの取引価格と流通量の変動を指数で可視化した「メルカリ物価・数量指数」を共同で開発し情報の提供を開始することを発表した。
この「メルカリ物価・数量指数」とは、メルカリ内の取引価格と流通数量の変動状況を、商品カテゴリーごとに月単位で表す価格指数・数量指数のことだ。取引数量や価格の急速な変動という形で、その時の流行を確認することができる。両社によると、同取り組みは個人間商取引(CtoCサービス)における消費者の需要を可視化する事例として世界初という。
例えば、「レディース- ルームウェア/パジャマ」のメルカリ物価・数量指数を見てみると、2020年4月最初の緊急事態宣言が発出したタイミングで流通量が急激に上昇している。逆に「スーツ/フォーマル/ドレス」のカテゴリは、同時期に流通量が急激に下落し、その後は徐々に上昇していることが見て取れる。
しかし、「レディース→ 靴 → モカシン」といった小カテゴリーについては、質・構成比などの調整が現時点では困難といい、上下2.5%の外れ値を除き平均価格・平均数量を算出する。中カテゴリ(例:レディース → 靴)および大カテゴリー(例:レディース)では、小カテゴリの売上構成比を用いたTörnqvist指数を算出しているとのことだ。
UTEcon 取締役/東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授の渡辺安虎氏は「今回開発した指数は、消費者研究やマーケティング研究に活用されることが期待されるとともに、トレンドの迅速な把握を目指すメディアや、企業の商品戦略立案担当者にも幅広く活用できる」とコメントしている。