OKIグループで、回路設計やLSI/FPGA設計・開発サービスなどを提供するOKIアイディエスは、2022年4月1日付で滝澤家信氏が新しく代表取締役社長執行役員に就任した。
滝澤新社長は、長野県出身。金沢大学工学部を卒業後、1985年に沖電気工業に入社、2007年に同社の情報通信グループシステム機器カンパニーシステム機器本部メカトロプラットフォーム開発部長を務め、2010年にシステム機器事業本部メカトロ開発センター長に就任。
2015年には中国の沖電気実業(深セン)金融設備事業部経営企画部長、2016年にメカトロシステム事業本部企画管理部チーフスペシャリスト、2020年に沖電気金融設備(深セン)董事長を歴任し、2022年4月よりOKIアイディエスの代表取締役社長執行役員に就任した。
技術者としてキャリアをスタートさせ、経営企画に携わったのち、OKIアイディエスの社長に就任した滝澤氏に、今後の展望や、現在の心境について伺った。
10年ぶりの開発の現場が楽しみ
--OKIアイディエスの代表取締役社長執行役員に就任された現在の心境をお聞かせください
滝澤氏(以下、敬称略):私は1985年に入社し、ATMの中身の部分(紙幣認識モジュールなど)の開発、設計を担当していました。そして、1997年にコンビニATMのハードウェア設計の担当となり、10年ほど同じ仕事をしていました。
その後2012年に経営企画部に移り、中国や日本を行ったり来たりしながら経営企画の仕事をしていました。
2022年の4月からOKIアイディエスに来ることとなり、10年ぶりの開発の現場ということで、ワクワクしています。私は今年、60歳になりますが、この年齢から新しい仕事をさせてもらえることが楽しみです。
--これまでのキャリアで印象に残っていることを教えてください
滝澤氏:これまでのキャリアでは、大きく2つのことが印象に残っています。
1つ目は、最初のATMの紙幣認識モジュールの開発です。紙幣認識に関しては、こうすれば読み取れるといったセオリーはなく、センサや処理、判別方法に至るまで、自分で考えて自由に設計でき、製品として実装することができたことは非常に楽しかった経験です。
もう1つは、その後に携わったコンビニATMの開発の仕事で、その当時はコンビニATMの市場がまだなく、お客様も私たちもどのようなものに仕上げたらよいのか、わかっていませんでした。
そのため、お客様とともに仕様から考え、何度も作り直して製品を作り上げた経験は、素晴らしいものでした。営業、エンジニア、お客様と一丸となって商品を作り上げたという経験は非常に楽しいものでした。
開発設計の仕事は、常に新しいことを覚えることができるのが楽しいと思っています。「仕事もワクワクと、仕事が終わったらもっとワクワクと」というのが私のモットーです。