5月11日から13日まで東京ビッグサイト南展示棟で開催された「NexTech Week【春】」内の「第6回 AI・人工知能EXPO【春】」で、米Cerebras Systemsの日本法人であるセレブラス・システムズは、日本初公開となるWSE搭載システムの第2世代「CS-2」や、世界最大級サイズの半導体「ウェハスケールエンジン(WSE-2)」の展示を行った。

  • セレブラス・システムズのブースの様子

    セレブラス・システムズのブースの様子

今回国内で初めて公開されたCS-2は、ディープラーニング(DL)向けに開発されたシステムで、現在DLで広く用いられるGPUの数十倍のパフォーマンスが可能だという。

また、GPUをクラスタとして導入した際に性能向上の幅は比例せず頭打ちになるため、実際に導入した場合で比較すると数百倍のパフォーマンスも期待されるとのことだ。さらにCS-2は1台で大規模な演算処理を行うため、省スペース化や省電力化にも貢献可能だとした。

  • 日本で初めて公開されたCS-2

    日本で初めて公開されたCS-2

また、CS-2に搭載された世界最大級の半導体WSE-2も併せて展示された。DL専用に設計されたウェハサイズ(21.5cm角)のチップで、積和演算を実行する85万個のコアと効率的なデータアクセスを可能にするローカルメモリを実装している。1枚のチップでクラスタ規模の処理を可能にし、また処理時間の遅延も大幅に短縮されるという。

  • 世界最大級の半導体WSE-2

    世界最大級の半導体デバイスWSE-2

DLにおいて必要なデータ処理能力は日に日に大きくなっており、人間の脳のような働きをするためにはさらに多くのデータ処理が必要になるとみられる。セレブラス・システムズでは、CS-2の処理能力を向上させる外付けメモリの開発を行っているという。

今回の展示会では、セレブラス・システムズの国内販売代理店である東京エレクトロンデバイスがブース対応を行った。担当者は「日本ではまだCS-2の導入事例はないが、欧米各国ではすでに大規模な顧客が実験導入を行っている。まだ日本ではAI自体が進んでおらずCS-2が必要な企業は少ないが、2~3年後には需要が生まれているはずだと我々は考えている。」と語った。