5月11日から5月13日にかけて、東京ビッグサイトで、働き方や業務改善に役立つソリューションに関する展示会「働き方EXPO」が開催されている。本稿では、同展示会に出展しているSkyのブースの模様をお届けしたい。
コロナ禍での出展ということで、Skyのブースでは、次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」を独自で設置しているほか、プレゼンテーションの時間を短縮するなど、感染対策の工夫が凝らされていた。
Skyのブースで前面に押し出されていたのが、今年1月に販売を開始した名刺管理サービス「SKYPCE」だ。「SKYPCE」とは何を特徴とするサービスなのだろうか。
日本企業のニーズに応えるため、オンプレミスとして提供
名刺管理サービス「SKYPCE」は、紙の名刺を電子データとして取り込んで、安全に運用管理することを可能にするサービスだ。名刺管理サービス市場では、後発となるが、ICTソリューション事業部 副本部長 金井孝三氏は、「日本企業では名刺文化が当たり前だったがゆえに、名刺が企業の資産という意識がありません。われわれは、『名刺は企業の資産。だから、個人ではなく、企業が管理しなければならない』という意識をもってもらうところから取り組みます」と話していた。
金井氏によると、名刺は個人情報となるため、社外に持ち出すことに難色を示す企業が多いという。こうした企業の悩みに対応するため、同社は「SKYPCE」をオンプレミス型で提供している。「SaaSの場合、セキュリティは提供元のベンダーにゆだねることになりますが、オンプレミスであれば、自社のセキュリティポリシーの下で管理できます。企業ユースの名刺管理サービスでオンプレミスに対応しているのは当社だけではないでしょうか」と同氏は言う。
サイバー攻撃が増加する一方の今、個人情報を保護することは企業にとって必須課題だ。金井氏は、「個人情報をSaaSで管理するとなると、新たに個人情報を保護するための仕組みを整備しなければなりません。これに対し、オンプレミスのシステムであれば、既存の個人情報保護の仕組みに組み込めばいいので、そのための手間やコストが発生しません」と語る。
オンプレミス型の「SKYPCE」はサーバが必要になるため、そのコストや運用の手間が必要になるが、個人情報保護という観点からすると、安全を確保して、コストを省くことができるといえる。
なお、現在はオンプレミスで提供している「SKYPCE」だが、クラウドサービスとしての提供も計画されている。
名刺管理に割く時間削減で営業の働き方改革に寄与
「SKYPCE」は競合のサービスと同様に、紙の名刺をプリンタやスマートフォンを使って読み込み、電子データに変換する。スマートフォンの読み込みに対応しているのは、名刺を入手した日に取り込んでもらいたいからだという。
「名刺はもらった日が重要です。3カ月前に名刺を受け取った人が1カ月前に異動したのに、名刺を読み込んだのが異動後だったら、データに矛盾が生じてしまいます。営業の方がいつでもどこでも名刺をもらったらすぐに取り込めるよう、スマートフォンに対応しています」(金井氏)
取り込んだ名刺データは、企業ごとに分類されて一覧表示される。「SKYPCE」では、AIや機械学習で名刺データを読み込んだラでは読み取りの精度に限界があるそうだ。人手を介しているが、読み込んでから一両日でユーザーに納品される。
金井氏は「人が作業するため、名刺の読み込みに料金がかかりますが、ユーザーがご自身で確認作業をする手間を省けるため、名刺管理に割く時間を削減していただけるはずです」と語る。
名刺データにタグをつけておけば、タグで絞り込んで、キャンペーンメールを一斉送信するといったこともできる。「SKYPCE」は簡易的なメールマガジンの配信ツールとしても利用可能というわけだ。
ちなみに、今回の出展においても「SKYPCE」は活用されており、ブースで名刺のスキャンを体験した人に対して、読み込んだデータをもとにお礼のメールを送信している。
金井氏は「SKYPCEを使えば、名刺を入手してすぐに、営業活動を始められます。展示会の業務の効率化にもSKYPCEは有効であり、『展示会DX』ともいえます」と話していた。「SKYPCE」は名刺管理にとどまらず、名刺活用の幅を広げてくれるツールといえる。社内の名刺管理の必要性を感じながら、まだ手をつけられていない企業の方々は、Skyのブースに立ち寄ってみてはいかがだろうか。