NTTデータは5月12日、2022年3月期の期末決算報告を行い、社長の本間氏は5月9日に発表したNTT Ltdとの海外事業の統合についても触れた。

同社の2022年3月期の期末決算は、売上高は2兆5,519億円(前期比10.1%増)、営業利益は2,126億円(前期比52.8%増)、当期利益は1,430億円(前期比86.1%増)で増収増益となった。

NTTデータ 代表取締役社長 本間洋氏は「年間を通して好調な決算となり、すべての項目で過去最高を更新している」と述べた。

  • 2022年3月期 期末決算概要

セグメント別の売上では、EMEA(Europe、the Middle East、 Africa)・中南米がスペイン・ドイツ等での規模拡大や為替の影響などで966億円のプラスになったほか、法人ビジネスは製造業、流通業およびサービス業向けの規模拡大により620億円の増収になっている。

  • セグメント別の売上

2022-25年度の新中期経営計画では、「海外事業の質を伴った成長の加速」、「デジタル領域におけるさらなる競争力の強化」、「人材が成長する組織への変革」、「真のグローバル企業となるためのヘッドクオーター機能の強化」の4つの課題に取り組むという。

  • 新中期経営計画で取り組む課題

そして、「ITとConnectiveの融合による新たなサービスの創出」、「Foresight起点のコンサルティング力の強化」、「アセットベースのビジネスモデルへの進化」、「先進技術活用力とシステム開発技術力の強化」「人材・組織力の最大化」の5つの戦略を実施していくという。

「ITとConnectiveの融合による新たなサービスの創出」では、NTTグループとのさらなる連携強化によりEdge to Cloudのサービス提供力を強化し、企業や業界の枠を超えた連携により、新たな社会プラットフォームやサービスを創出していくという。

「Foresight起点のコンサルティング力の強化」では、未来を構想するコンサルティング力を強化し、共創パートナーとして、ビジネス変革を実現するとした。

  • 「ITとConnectiveの融合による新たなサービスの創出」

  • 「Foresight起点のコンサルティング力の強化」

「アセットベースのビジネスモデルへの進化」では、グローバルレベルでNTTデータグループの技術、知見、経験をアセット化して有効活用していくという。

「先進技術活用力とシステム開発技術力の強化」では、技術の成熟度に応じた取り組みを推進し、メインストリーム領域での技術の活用力をさらに磨いていくとした。

  • 「アセットベースのビジネスモデルへの進化」

  • 「先進技術活用力とシステム開発技術力の強化」

「人材・組織力の最大化」では、組織機能・カルチャーを変革することで人材力や組織力を最大化していくため、育成プログラムの導入、制度や職場環境の整備に取り組むという。

そして、2025年度の経営目標として、連結売上高4兆円超、年間売上50億円以上もしくは5,000万ドル以上の顧客を120社獲得、連結営業利益率10%、海外EBITA率10%を挙げた。

なお、来年度の業績予想は、売上高が3兆2,700億円(前期比28.1%増)、営業利益は2,360億円(前期比11%増)、当期利益は1,360億円(前期比4.9%減)とした。

  • 2025年度の経営目標

海外事業の統合について、本間社長は「今後はEdge to Cloudの重要性が高まり、企業のデータドリブン経営も加速する。また、業界の連携が進みつながる社会が進んでいく。そのために、NTTデータのコンサルティング力、システムインテグレーション力というつくる力、それとNTT Ltdのクラウド、ネットワーク、マネージドサービスのつなぐ力を掛け合わせることで、トータルでサービスを提供し、競合優位性を高めていきたい」とした上で、「シナジー効果はすぐには出ないが、2025年度には営業利益で300億円程度を見込んでいる」と述べた。

  • NTTデータ 代表取締役社長 本間洋氏