パナソニックは、パナソニック コネクトが展開するサプライチェーンマネジメント(SCM)事業の株式上場に向けた準備を開始することを5月11日に発表した。
パナソニック コネクトは、パナソニックグループの持株会社制への移行に伴い2022年4月1日に発足した。
同社の事業は、パナソニック コネクティッドソリューションズのBtoBソリューション事業を引き継ぐ形となっており、戦略として、SCM事業を含むソフトウェアベースのソリューションを“成長事業”、ハードウェアベースのソリューションを“コア事業”と位置付けて企業価値を高めていく戦略を発表していた。
同社は、昨今の不安定な国際情勢やパンデミック、消費者行動の変化などによるサプライチェーンの複雑化に伴い、企業のSCMソリューションに対する期待が高まり、急激な市場拡大が見込めるとして、SCM事業の株式上場を進めることにしたという。
パナソニック コネクトの代表取締役 執行役員 社長・CEOの樋口泰行氏は「SCMに対する意識の高まりとともに、ニーズも高まっており、各社の投資増大が見込まれる」と市場への期待を述べた。
同社は2021年9月に世界トップクラスのSCMソリューションを提供するBlue Yonderを買収。Blue YonderのAIを活用したソフトウェアプラットフォームにパナソニックがもともと持っているセンシング技術やIoTテクノロジー、日本の顧客基盤を組み合わせることで、「オートノマス(自律的な)サプライチェーンの実現」を目指し、ソリューションを提供してきた。
今回検討開始を発表した、Blue Yonderを中心としたSCM事業の上場会社は、パナソニックが議決権の過半数を保有する重要な連結子会社と位置付ける事を前提に、組織構成および資本構成を検討していくとしている。
株式上場を通じて、成長戦略の実現に向けたR&DやM&A投資の強化、優秀な人材の獲得を進めていく方針だ。
なお、上場時期や会社の規模感については、未定としながら、パナソニック ホールディングスの代表取締役 社長執行役員 グループCEO グループCSOの楠見雄規氏は「スピード感が要求されているため、できるだけ早く進めていきたい」と述べた。