伊藤園と富士通は5月10日、スマートフォンで撮影した画像をAIで解析することで茶葉の摘採時期を簡単に判断する技術を共同開発し、伊藤園が展開する茶産地育成事業の契約産地にて試験運用を開始することを発表した。

  • AI画像解析のイメージ図

この技術は、伊藤園の画像から推定するアミノ酸量と繊維量による品質と収穫量の関係性など茶栽培に関する知見と、富士通の画像解析技術およびAIの機械学習を組み合わせた画像認識アルゴリズムの作成技術により、スマートフォンで撮影した収穫前の茶葉の画像をAIで解析して、摘採時期の判断指標となるアミノ酸量や繊維量を推定するもの。

これにより、両社は生産者の高齢化や後継者不足の折に、茶農業への新規参入の障壁となる課題を解決し、茶農業の生産力向上と持続性を両立することに寄与したい考え。

画像認識アルゴリズムの開発に際しては、およそ2年をかけて契約産地の一部で撮影した約4,000枚の茶葉の画像をもとに、色味調整など加工を施した合計約8,500枚の画像を用いてAI学習を行ったという。

両社はこの画像認識アルゴリズムの正確性や実用性を検証するため、2022年の新茶摘採から撮影対象地域などを拡大して現場実証による試験運用を行い、2023年から契約産地での本格展開を目指す。