IC Insightsによると、2021年の半導体市場における売上高トップ5社(専業ファウンドリ除く)が全売上高に占める割合は42%、トップ10社では57%となるという。また、トップ25社では79%、トップ50社になると89%となるともしている。
この割合は2010年の値と比べると、トップ5社で8ポイント増、トップ10社で9ポイント増、トップ25社で11ポイント増、トップ50社で8ポイント増となるという。また、今後はより企業買収や合併が進むことが予想されることから、上位企業の存在感がさらに増す可能性があるとしている。
売上高トップ10の変遷
1993年の同社の調査では、トップとなったIntelの市場シェアは9.2%。それまで1位を守ってきたNECを抜いてトップサプライヤになった。2021年のトップサプライヤであるSamsungは3.8%で7位。Intelはこの語、2016年まで首位を維持。2017年にSamsungがIntelを抜き、トップとなった。
2019年、いわゆるメモリバブルがはじけ、メモリ市場が落ち込んだことから、Samsungの売り上げも減少。前年比で横ばい程度の売り上げを維持したIntelがSamsungを抜き返し、再び首位に返り咲いた。しかし、2021年はメモリ価格の高騰もあり、Samsungの売り上げが伸びた結果、再びSamsungがIntelを抜く結果となった。
ちなみにSamsungの決算発表では、メモリ事業と非メモリ事業の売上高のみが発表され、社内向け半導体のシステムLSI事業部門とファウンドリ事業部門であるSamsung Foundryの個々の売上高は不明なため、IC InsightsによるSamsungの売上高には、ファウンドリ事業の売上高も含まれているという。市場調査会社である英Omdiaの統計では、IntelがトップでSamsungが2位としているが、こちらはSamsungのファウンドリ事業の売り上げを推測して除いている模様である。ファウンドリ事業の売り上げは、基本的に製造委託元の売り上げに計上されるので、ファウンドリ事業を兼業するIDMでは、ファウンドリ事業の売上高を除くのが好ましいが、売上高を分離して発表しない場合が多い。
また、2021年のトップ10社中5社がファブレスで、2019年比で2社増加している。
なお、2021年の半導体市場規模は6146億ドルであった。今後も半導体市場は成長することが予想されるが、買収や合併が進む可能性があることを踏まえると、上位10社の顔触れは今後数年間で大きく変わる可能性がある。