NTTデータと日本電信電話(NTT持株)は5月9日、NTT持株の子会社で海外事業を行うNTT Ltdと、NTTデータグループの海外事業を10月に統合すると発表した。
具体的には2022年10月1日にNTTデータ55%、NTT持株45%の共同出資により、NTTデータの子会社として新たに海外事業会社を設立(社名未定)し、海外事業を統合する。NTT Ltdとの統合により、NTTデータは売上高約3.5兆円、従業員約18万人、海外売上比率は約60%になるという。ちなみに、NTT Ltdの売上は約1兆円、従業員数は約38000人となっている。
さらに2023年には、NTTデータの持ち株会社を設立後、その子会社として国内事業会社と海外事業会社を置く計画だ。
海外事業を統合する理由について、日本電信電話 代表取締役社長 社長執行役員 澤田純氏は「グローバルレベルでのダイナミックな変革に対応していくためには、われわれのグローバルガバナンス強化とビジネスユーザー向けの事業能力の強化の2点が必要だ。具体的にはNTTグループのグローバル人材を結集し、グローバルガバンスに知見をもったリーダーシップのもと、自律的な経営をすることが必要だ。そして、事業ポートフォリオを拡張しながら、安定した収益構造を実現したい。ITインフラからアプリまでフルスタックで提供できる1つの体制を整えたい」と説明した。
統合は、昨年4月から話し合いが行われ、昨年9月に、NTTデータから統合の提案があったという。
統合の効果について澤田社長は「これまでは、NTT, Incという事業をやらない会社があり、連携はしていたが、ラインとして2つあった。今回は事業会社を統合するので、完全に統合したフルスタックのサービスを提供できる」と述べたほか、NTTデータ 代表取締役社長 本間洋氏は、「4つくらい統合シナジーがある。どんなお客様にどのようなソリューションを提供していくのかといった戦略の一体化ができる。また、Edge to Cloudやコネクティビティの領域で先行投資やM&Aができる。2つ目は、つくる力とつなぐ力でお客様にトータルでサービスを提供できる。そのためにクロスセルも強化していく。3つ目はIT基盤の統合やコーポレート機能の統合でコスト削減ができる。4つ目はつくる力とつなぐ力をもった人材を統合できる」と語った。