Intelが4月28日に発表した2022年第1四半期(1~3月期)決算によると、売上高は前年同期比7%減の183億5300万ドル、純利益は同141%増の81億1300万ドルとなったという。同期間のTSMCやSamsung Electronicsの売上高が前年同期比で40%近い成長を見せる中のマイナス成長であり、長引く不調から抜け出せていない姿が浮き彫りとなった。

同四半期業績を部門別に見ると、パソコン向け半導体中心のクライアント・コンピューティング・グループ(CCG)の売上高が前年同期比13%減の92億9400万ドルと、落ち込む結果となり、営業利益率も前年同期の40%から30%へと下落している。新型コロナ特需によるPC需要が一巡し、一部の顧客が売れ残りPCの在庫圧縮のためIntelへの注文数を減らしたほか、在宅勤務や遠隔学習向けPCなどの購入が減少した結果だという。

一方のサーバー向けCPUを扱うデータセンター・AIグループ(DCA)の売上高は、前年同期比22%増の60億3400万ドル。ファウンドリ事業を担当するIntel Foundry Services(IFS)グループの売上高は、同175%増の2億8300万ドルとプラス成長を果たしている。

このほか、ネットワークおよびエッジグループ(NEX)は同23%増の22億1300万ドル、およびIntelの子会社で自動車運転支援システムサプライヤであるMobileyeは同5%増の3億9400万ドルと、いずれもプラス成長を果たしているが、主力のパソコン向けMPUビジネスの落ち込みをカバーするほどには伸びきれていない。

2022年も低い成長率を自覚するIntel

なおIntelは2022年通年の業績予想について、売上高を3か月前に発表した約760億ドルに据え置くと発表したが、これは2021年通年の約790億ドル(実績額)より下の数値であり、今年の成長については期待できないとしている。そのため、2022年第2四半期(4~6月期)の売上高についても、PC市場での減速に加え、中国の新型コロナ対策としての都市封鎖やロシアのウクライナ侵攻が個人消費に与える影響が不透明だとして、約180億ドルと前四半期比で減少するとの見通しを示しており、市場予想を下回る数値から、投資家の失望を招き、発表翌日(29日)の株価を下げる結果となった。

Intelの最高経営責任者(CEO)であるPat Gelsinger氏は、世界的な半導体不足について、「生産能力や生産設備は急に増やすことは難しいため、少なくとも2024年まで続く」と述べるとともに「半導体の継続的な需要に対応し、よりバランスの取れた回復力のあるグローバルサプライチェーンを推進するために、Intelは米国と欧州の両方で生産能力を拡大し、供給不足に対処する計画をすでに発表している」ことを強調していた。