オンラインバックアップサービス企業のBackblazeは5月4日(米国時間)、「Backblaze Drive Stats for Q1 2022」において、2022年第1四半期のハードディスク故障率の調査結果を公開した。Backblazeは2022年第1四半期に21万1,732台のハードディスクおよびSSDを使用(起動ディスク3,860台、データディスク20万7,872台)。統計データとして使用できるディスクとして、20万7,478台のデータディスクに関する故障率の分析データを公開した。
2022年第1四半期における注目点は次のとおり。
Seagateの6TBモデル「ST6000DX000」が、平均使用年数7年(約83.7カ月)であるにもかかわらず、2022年第1四半期において故障率0%を達成。同様に東芝の4TBモデル「MD04ABA400V」も平均年数が7年(約82.3カ月)であるにもかかわらず故障率0%を実現している。ただし、東芝のコホートには97台しかドライブが存在していない。Seagate「ST6000DX000」は850台を超えている。
WDCの2つの16TBモデル「WUH721816ALEL0」と「WUH721816ALEL4」も2022年第1四半期に故障率0%を実現している。しかし、それぞれの平均使用年数は5.9カ月と1.5カ月と使い出したばかりであり、今後の動向を見る必要がある。
HGSTの8TBモデル「HUH728080ALE604」は故障率24.31%という高い値をマークした。平均使用年数は2カ月で、台数は76台、合計で4,504ドライブのデータがベースとなっている。HGSTはこれまで優れたパフォーマンスを発揮しており、今回の結果は心をかき乱すものとコメントしている。今後の四半期ごとにどのような値を示していくのかが注目される。
Seagateの14TBモデル「ST14000NM0138」の故障率の高さも継続している。チームはなぜこのモデルが高い故障率を示すのかを辛抱強く調査を続け、複数のファームウェア調整を行い、さまざまなレベルである程度の成功を収めたとコメントしている。
Backblazeは今回のデータ公開において、ドライブ日数と信頼区間に関する基準を考慮しつつ、各メーカー環境で最高のパフォーマンスを発揮するドライブとして次のモデルを挙げている。
- HGST 12TBモデル「HUH721212ALE600」 (年平均故障率 0.33%)
- Seagate 12TBモデル「ST12000NM001G」 (年平均故障率 0.63%)
- WDC 14TBモデル「WUH721414ALE6L4」 (年平均故障率 0.33%)
- 東芝 16TBモデル「MG08ACA16TEY」 (年平均故障率 0.70%)
Backblazeは四半期および年ごとに同社で使用しているストレージドライブの故障率データを公表しているが、データセンターで長期にわたって使用されたディスクの故障率の統計データとして参考になる。