夜空に浮かぶ惑星や恒星の大きさを想像したことはありますか?

  • 星空で無数に輝く天体の大きさを想像したことはありますか?

    星空で無数に輝く天体の大きさを想像したことはありますか?

1年の中で最も大きく見える満月「スーパームーン」、太陽系の惑星が1列に並んで観測できる「惑星直列(惑星のパレード)」など、夜空を舞台に起こるさまざまな天体イベント。空に輝く星は小さな点程度にしか見えませんが、実際にはどんな大きさなのか、気になったことはありませんか? 

そこで今回は、私たちが暮らす地球や同じく太陽の周りを公転する太陽系の惑星たちなど、さまざまな天体の大きさを比較してみました! あの惑星はどのくらいの大きさなのか、どのくらい離れたところにあるのか、などの気になる情報をお届けします。

生命が暮らす唯一の惑星「地球」の大きさを確認!

  • 私たちが暮らす惑星「地球」の直径は約1万2714km。

    私たちが暮らす惑星「地球」の直径は約1万2714km。

まずは、私たち人間が暮らす地球の大きさについて見ていきましょう。 地球の直径は約1万2756km。これは赤道方向の直径で、北極から南極を結ぶ方向の直径は約1万2714kmと赤道方向より40kmほど短く、地球は南北が少し押しつぶされた楕円体です。これは、地球の自転で発生した遠心力によって少し横に伸びているのだそうです。

では、約1万2714kmというのはどれくらいの距離なのでしょうか。さまざまな乗り物などで実際に進むとどれほどの時間がかかるのか、簡単に計算してみました。

地球の反対側までの所要時間一覧表 (赤道方向を基準に算出)

  • 一般道の自動車だと1週間以上かかるという結果に……

    一般道の自動車だと1週間以上かかるという結果に……

赤道上から地球の反対側まで地球の中を通って最短距離で進もうとしても、一般道を走る自動車の速さでは1週間以上、新幹線でも2日弱かかるようです……。しかし、その距離をたったの26分半ほどで進んでしまうのが、宇宙を飛び回る人工衛星。気象衛星の「ひまわり」や宇宙の有人実験施設「国際宇宙ステーション(ISS)」は、常にその速さで進み続けています。

人間がちっぽけな存在に思えるほど大きな存在である地球。しかしそんな地球も、宇宙規模で見ればたった1つの惑星でしかありません。地球より小さい惑星もあれば、地球とは比べ物にならないほどの大きな天体もたくさん存在しています。

ここからは宇宙に飛び出して、太陽系の惑星をはじめとしたさまざまな天体の大きさなどについてご紹介します! そのスケールの大きさや地球との違いを感じてみましょう。

太陽系の惑星の大きさをランキング形式で比較してみた!

  • 地球とともに太陽の周りを公転する7つの惑星を解説!

    地球とともに太陽の周りを公転する7つの惑星を解説!

地球は太陽の周りを1年かけて公転していて、ほかにも7つの惑星が太陽の周りを回っています。続いてはそれらの「太陽系の惑星」をピックアップ! その大きさを地球と比べてみました。 それでは早速、太陽系の惑星の大きさを比較したランキングを見てみましょう。

太陽系の大きさランキング

  • 1番大きいのは木星!太陽系最小の惑星は水星で、地球は5番目。

    太陽系で1番大きい惑星は木星!太陽系最小の惑星は水星で、地球は5番目。

太陽系最大の惑星は木星、最小の惑星は水星という結果に。地球は5番目でした。では、地球以外の惑星の大きさや特徴について、詳しく見ていきましょう。

太陽系で1番太陽に近く1番小さい惑星・水星

  • 水星

    水星(C) NASA

太陽系の惑星の中で最も小さいのが、最も太陽に近い位置に存在する水星。その直径は約4879kmで、地球の40%ほどです。大きさだけを見ると、地球よりも月に近いイメージを抱くかもしれません。水星は太陽との距離が近いこともあり、平均温度は約167℃。太陽の直射を浴びた時には表面温度が400℃以上になることもあるのだとか。

ただし、水星には現在大気がほとんどなく、大気中の物質が熱を吸収して温度を上昇させる「温室効果」が働かないそう。また自転の速度が遅く、日が沈んだら上るまでに約88日間かかるので、太陽光が当たらない夜の期間ではマイナス170℃まで温度が下がることもあるそうです。

着々と探査が進む「生命がいたかもしれない」惑星・火星

  • 火星

    火星(C) NASA

次に紹介するのは、太陽から見て地球の少し外側を公転する火星。その直径は約6792kmで、地球のおよそ半分ほどです。火星も時期によっては地球から肉眼で捉えることができ、赤っぽい色が特徴的です。惑星の大きさは地球のほぼ半分ですが、火星が自転にかかる時間は24.7時間で地球とほぼ同じ。北極と南極に氷やドライアイスで覆われた場所があったり、「フォボス」と「ダイモス」と名付けられた衛星があったりと、地球に似ている点が多い惑星です。

火星表面にはすでに探査機が上陸していて、NASAを中心に進められている火星のサンプル採集プロジェクト「MSR計画」や、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)がフランスと協力して計画するフォボスからのサンプルリターンミッション「MMX」などの計画が今も着々と進行中。生命が存在した痕跡があるかなど、火星の詳細については今後さらなる研究が進んでいくはずです。

地球に似ているようで似ていない? 灼熱の兄弟惑星・金星

  • 金星

    金星(C) NASA

続いては地球の少し内側を公転するお隣の惑星、金星についてご紹介。「明けの明星」や「宵の明星」として肉眼でも観察できる金星の直径は1万2104kmで、太陽系の惑星の中では最も地球に近い大きさです。密度も地球とかなり近く、その類似性から”兄弟惑星”と呼ばれることもあるそう。

ただし、地球と金星で大きく異なるのが表面の温度。金星は非常に厚い大気に包まれていて、さらにそのほとんどが温室効果を持つ二酸化炭素なので、表面温度は灼熱。平均温度は約464℃にまで上ります。さらに日本発の人工衛星あかつきが、金星には「スーパーローテーション」と呼ばれる秒速100m以上の風が吹いていることを解明。兄弟惑星とはいっても、その環境は地球と大きく異なるようです。

太陽系の1番外側を公転する深い青の極寒惑星・海王星

  • 海王星

    海王星(C) NASA

4番目に大きいのは、太陽系の惑星の中でも最も外側を公転する海王星。直径は4万9528kmで、天王星より少し小さいくらいの大きさです。英語ではローマ神話における海の神「ネプチューン」と名付けられる海王星は、太陽の光がほとんど届かないこともあり、その名の通り深い青色が特徴的です。

海王星から太陽までの距離は約45億kmで、地球からの距離の約30倍。地球からはスペースシャトルの速さでも17年以上かかるほど離れています。公転には約164年かかるといわれ、平均温度はおよそマイナス200℃にまで冷え込む太陽系で最も寒い巨大氷惑星です。

ほぼ真横に傾いて回る変わり者の惑星・天王星

  • 天王星

    天王星

次に紹介するのは、太陽系で3番目に大きい天王星。青白く輝く天王星の直径は5万1118kmで、地球の約4倍の大きさです。地球の赤道上を1周した距離が約4万kmといわれているので、それよりも長い大きさだということがわかります。

天王星最大の特徴は、98度とほぼ真横に傾いた自転軸。周囲を回るリングはほぼ縦向きになっていて、27個ある衛星も天王星の周りを縦向きに回っています。また太陽からの距離は地球の約19倍と遠く離れていて、平均温度はマイナス195℃ほどという極寒の惑星です。

大きいのに水に浮く? リングに包まれた惑星・土星

  • 土星

    土星(C) NASA

続いては太陽系で2番目に大きな惑星、土星について見ていきましょう。直径は約12万536kmで、地球の約9.5倍。木星と同じく核が水素やヘリウムなどで包まれたガス惑星で、密度は地球のおよそ8分の1しかなく、水に浮くほどの軽さだそうです。

土星の特徴といえば、やはり周囲を覆う大きなリング。その起源はいまだにわかっていませんが、リングを構成するほとんどが氷の粒で、土星の周りを回っています。リングの厚さは最も薄いところで約10mしかないことが観測されています。また土星は衛星の数が太陽系の惑星で最多。なんと82個もの衛星が、土星の周りを公転しています。

太陽系最大! 巨大なガス惑星・木星

  • 木星

    木星(C) NASA

太陽系で最も大きい惑星が、木星。岩石や金属が集まった核の周囲はガスで覆われていて、その大きさは14万2984km、地球の11倍以上という巨大惑星です。14万kmというと、一般的に自動車の買い替え目安だといわれる走行距離。木星の端から端まで直線で進もうとすると、1台の自動車が寿命を終えてしまうかもしれません……。

木星は、太陽系最大の惑星でありながら自転周期も最速で、1回の自転にかかる時間はたったの約10時間。そのため赤道周辺は強い遠心力によって少し外側に膨らんでいて、赤道周辺には時速500kmを超える風が吹いているそうです。