東日本電信電話(NTT東日本)とセコムは4月27日、特殊詐欺に対する高齢者の防犯意識向上を目指す協働実証実験を5月1日より開始すると発表した。
近年の特殊詐欺は手口が巧妙かつ複雑になっており、高齢者を標的とした被害件数および被害額は依然として高い。そこで両社は、「セコム暮らしのパートナー久我山」に居住する高齢者を対象に、セコムが提供する「コミュニケーションサービス」を活用して特殊詐欺対策の注意喚起をするとともに、NTT東日本が提供する「特殊詐欺訓練」による模擬訓練を行う実証実験を開始する。
セコムの「コミュニケーションサービス」は、セコム暮らしのパートナー久我山のスタッフがコミュニケーションロボット「BOCCO」を通じて定期的な挨拶や状況にあわせた声がけを行うサービス。高齢者が抱える孤独や、服薬など社会課題の解決にも一定の効果が確認されているという。
NTT東日本の「特殊詐欺対策訓練」は、事前に登録した訓練参加者に対して模擬音声による訓練通話を実施し、その通話に対する反応をモニタリングするサービス。「取ってはいけない行動」と「正しい行動」のどちらの行動を起こしたかを確認し、その行動特性に応じた注意喚起を行う。
両社は今回の実証実験を通じて、高齢者の防犯意識を高めるために必要な仕組み作りや注意喚起の内容など特殊詐欺被害拡大防止に役立つ知見を探る予定だ。また、NTT東日本が提供する「特殊詐欺対策サービス」のサービス品質向上にも役立てるとしている。