越谷レイクタウンに体験型店舗「b8ta Koshigaya Laketown」オープン、狙うはファミリー層

ベータ・ジャパンは4月26日、「b8ta Koshigaya Laketown」を4月27日に越谷レイクタウンKAZE2階にオープンすることを発表した。

それに伴いプレス発表会が行われ、ベータ・ジャパンCEOの北川卓司氏と出品している企業の代表としてレンティオ代表取締役社長の三輪謙二朗氏が登壇し、「b8ta Koshigaya Laketown」の特徴を紹介した。

b8ta Koshigaya Laketown

コロナ禍で注目が集まる「売らない店」

今回オープンする「b8ta Koshigaya Laketown」は、「リテールを通じて人々に新たな発見をもたらす」をミッションとしており、「売ることを主目的にしない売らない店」としての地位を確立しているベータ・ジャパンが手掛ける店舗。店内には、さまざまなブランドの商品が並び、その商品もランドセルからトースターや電子レンジまでと幅広い。

元々、ベータは2015年にサンフランシスコで創業した「店頭体験」を販売する企業。現在はコロナ禍の影響を受け、アメリカの店舗はすべて撤退、日本は事業ライセンスを購入し、独自に株式会社化もしている。

ベータ・ジャパンCEOの北川卓司氏は、コロナ禍でも順調に国内事業を拡大している要因として「いま『売らない店』に大きな注目が集まっている」と語った。

ベータ・ジャパンCEO　北川卓司氏

北川氏はその理由として、「実店舗の存在価値の見直し」「商業施設の新たな収益モデルとしての注目」「顧客の行動分析ができる」の3点を挙げた。

そんな注目の集まる「売らない店」だが、多店舗展開をしているのはb8taのみで、さまざまなカテゴリーの商品を取り扱えるため、この多店舗展開が大きな強みになっている。

b8taの4店舗はなぜ「越谷」に？

同施設は、新宿、有楽町、渋谷に続く4店舗目。北川氏は、越谷レイクタウン内を4店舗目に選んだ理由について「商圏人口（来店を見込める顧客が住んでいる範囲の人口）の多さ」「既存店との来客層の違い」「施設内での立地」「スターバックスと同一区画にオープンできること」「都心からのアクセス」の5点を挙げた。

越谷は、新宿から電車で約1時間、東京近郊のベッドタウンとして発展を続けている町で、600万人以上が居住しているという。居住者のボリューム層は35歳から54歳で、駅前に位置するレイクタウンには30代から40代のファミリー層を中心に年間約5,000万人もの来客がある。今回ベータ・ジャパンは、既存店との差別化を図るため、「ファミリー層」に目を付けたのだという。

また、同施設は、駅からメイン入口を入ってすぐに店舗を構えており、店前交通量が施設内でもかなり高い所を選ぶことができたのも、ポイントの1つとなっている。実際に店舗を訪れてみると、駅の前のエスカレーターを上って、自動ドアを入ってすぐに、同日にオープンするスターバックスと同施設が並んで店舗を構えているのが分かった。

このスターバックスと同一区画にオープンできるというもの、大きなアドバンテージになっているといい、自社目的の顧客だけでなく、スターバックス目的の顧客の流入も見込まれている。また、スターバックスとの店舗の境には、共同イベントブースが設置されており、季節のイベントや食に関するイベントなどを開催予定とのことだ。

試食や体験だけでなく「自宅で試用」もできる

今回の展示スペースは490㎜×980㎜と、既存の店舗よりも幅が2倍の広さになっており、出品料月額は30万円。展示スペースのほかに、ライブキッチンやイベントスペースも確保されており、さまざまな商品の魅せ方ができるという。

b8ta Koshigaya Laketown見取り図

オープン時の出品企業は、アジア初進出となる、ミールキットのHelloFreshをはじめ、国内外から46の日本初出品やオフライン展開初を含むバラエティに富んだ商品やサービスがそろっている。

その中でも目玉となるのが、レンティオが提供する「Rentio」だという。 Rentioは、カメラや家電を中心に気になるアイテムを「買わずに試せる」サービス。今回、同施設内では、ライブキッチンに自社で提供しているキッチン家電を設置しており、試食や調理の様子を見て気になったものを実際に自宅にレンタルできるというサービスを行っている。オープン時はスタッフの調理のみで実施する予定だが、予約制で顧客が調理できるようにもなるという。

三輪氏は、「Rentioとb8taは競合関係にあるようで、実は協力していける関係にある」と今回の新店舗に出品するに至った経緯を説明した。