ロンドンに本拠を置く多国籍情報プロバイダであるinformaのハイテク市場調査部門(ブランド名:Omdia)の調査から、2021年のパワー半導体企業の売上高ランキングトップ10に日本企業が5社ランクインしていることがわかった。

同社の調査対象としているパワー半導体デバイスには、トランジスタ、サイリスタ、レクティファイア、ダイオードで、トップ10に入っている日本企業は、4位に三菱電機(2020年までは3位だったが、2021年はonsemiに抜かれることとなった)、5位に富士電機(2019年は7位、2020年に東芝、Vishayを抜いて5位に浮上)、6位に東芝(2019年は5位、2020年は富士電機に抜かれた結果6位)、9位にルネサス エレクトロニクス(2020年までは8位、2021年はNexperiaに抜かれた結果9位)、そして10位にローム(2020年にNexperiaを抜いて9位になったが、2021年にNexperiaに抜き返された結果10位)

  • 2021年のパワー半導体デバイスサプライヤ売上高ランキングトップ10

    2021年のパワー半導体デバイス(トランジスタ、サイリスタ、レクティファイア、ダイオードを含む)サプライヤ売上高ランキングトップ10 (出所:Omdia)

トップ10社中、3位以下の順位が目まぐるしく変動するなか、1位の独Infineon Technologiesと2位の米onsemiは盤石である。トップのInfineonは、従来から独ドレスデンにある製造拠点でパワー半導体の300mm化を進めてきており、競合他社にスケールメリットで差をつけてきたが、2021年9月にはオーストリアのフィラッハの拠点でも300mmウェハ工場の操業を開始した。もともとInfineonはフィラッハに1970年代から半導体工場を有しており、1979年には4インチウェハでの量産を開始、その後1997年には6インチ、2000年には8インチ(200mm)ウェハでの製造を開始しており、今回、パワー半導体の300mm化を果たしたことで、ドレスデンと連動した大増産体制を敷くことで、いまだに200mmに留まる日本勢との差は広げようとしている。ちなみに、Infineonの2021年の売上高は、2019年比で3割増となっている。