三菱重工業は4月22日、CO2および再生可能エネルギーから生成可能なカーボンリサイクル燃料「エレクトロフューエル(Electrofuels)」の日本市場への展開に向けて、同燃料への先進的な取り組みを実施している米国インフィニウムと共同で検討していくとして、覚書(MOU)を締結したと発表した。

三菱重工は米国三菱重工業を通じ、2021年1月にインフィニウムに出資して以来、共同でソリューションの商用化や市場展開に関する検討を行っており、今回のMOU締結もその一環となる。

エレクトロフューエルは、同社が特許を保有する触媒技術と再生可能エネルギーを使用し、回収したCO2とグリーン水素を合成ガスに転換することでつくられる。

これにより、従来の化石燃料と比較してCO2排出量を最大97%削減可能となり、クリーン液体燃料として既存設備に利用することで輸送時におけるCO2排出量を直接削減できるため、輸送のEV化、CO2回収・カーボンオフセット(排出権取引)といった既存の脱炭素戦略に追加される新たな手段となることが期待されるという。

今回のMOU締結を通じて、三菱重工グループが構築を目指すCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)バリューチェーンならびにCO2流通を可視化するデジタルプラットフォーム「CO2NNEX」 と、インフィニウムのCO2利用技術を組み合わせ、日本国内におけるカーボンニュートラル社会の実現を検討していく。