SOLIZEは、4月20日から22日まで東京ビッグサイトで開催された「Medtec Japan 2022」で、生体適合材料に対応可能な3Dプリンタの紹介や、同社が代理店として販売を行う3Dプリンタで作成した医療機器などの展示を行った。
SOLIZEは3D CADの設計解析や3Dプリンティングなどの領域で製品開発の技術とサービスを提供している。
1990年の創業以降、3Dプリンタ本体の販売・メンテナンスや製品の受託製造、プリント素材の開発を30年以上行うSOLIZE。同社が取り扱う3Dプリンタで使用可能な素材は金属やプラスチックなど幅広く、今回の展示では生体適合材料を素材として作成したインソールや義肢装具などが展示された。
人間の肌に直接触れた状態で使用できる生体適合材料が素材の製品は、3Dプリント後に研磨などの処理を施すことですぐに実用が可能となる。また利用者に合わせたサイズのカスタマイズや、器具の肉抜きによる軽量化など、利用者にとって最適な製品を製造できることも特徴とのことだ。
SOLIZEの担当者によると、3Dプリンタの強みとして、製品の製造までが短期間であること、需要に合わせてその都度カスタマイズしたものをプリントできること、複雑な形状でも正確な製造が可能であることが挙げられるという。
また医療分野での3Dプリンタの活用例として、慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業「OUI」が手掛ける 「Smart Eye Camera」も展示された。同製品はスマートフォンに専用レンズを装着することで場所を選ばず眼科疾患を診断できる医療機器で、専用のレンズをスマートフォンに取り付けるための外装部品をSOLIZEが取り扱う3Dプリンタで製造することで、短いスパンで新たな構造が登場するスマートフォンのカメラ部分にもスムーズに対応できるようになったという。
アディティブマニュファクチャリングとも称されるデータ解析によって最適な形として産出される構造にはいびつなものも少なくないが、3Dプリンタであれば精密に再現した製品を素早く提供できるのが強みであり、精密なデータが求められる医療分野でも「患者の身体に合わせてカスタマイズした製品の製造や、迅速かつ精密な製品の提供は3Dプリンタの得意分野なので、貢献できるものがあると思う」とSOLIZEの担当者は語っている。