IDC Japanは4月21日、国内のローコード/ノーコードプラットフォームの動向に関する調査結果を発表した。

同社は、ローコード/ノーコードプラットフォームを、アプリケーション開発におけるコーディングを最小限に抑え(あるいはコーディングせずに)、ドラッグ&ドロップによるビジュアルモデリングによってデータ、ロジック、フロー、UIなどを定義しながらアプリケーションを開発し、運用ができる環境を提供するソフトウェア製品またはクラウドサービスと定義している。

ローコード/ノーコードプラットフォームを提供している主なベンダーとしては、OutSystems、アマゾン ウェブ サービス、NTTデータイントラマート、キヤノンITソリューションズ、Claris International、Google、サイボウズ、ServiceNow、Salesforce、マイクロソフトが挙げられている。

今回の調査により、国内の企業や組織におけるローコード/ノーコードプラットフォームの導入は急速に拡大していることが明らかになった。

2020年8月に実施した調査(回答社数435社)では導入率が8.5%だったのに対し、2021年9月に実施した調査(回答社数485社)では37.7%と大幅に上昇したという。

その背景について、多くのベンダーが特徴を持ったローコード/ノーコードプラットフォーム製品を提供していることで、ユーザーが戦略や目的に応じて柔軟に選択できるようになっていることが導入を後押ししていると、同社は分析している。

ローコード/ノーコードプラットフォームを使って開発されている主なアプリケーションとしては、スケジュールやワークフローなどの業務プロセス系アプリケーション、予算/売上管理や社員管理などを行うバックオフィス系アプリケーション、商品管理や販売管理などを行う営業系アプリケーションがあるという。

ソフトウェア&セキュリティのグループマネージャーの入谷光浩氏は、「2023年には新規開発されるアプリケーションの60%がローコード/ノーコードプラットフォームで開発されるようになるとIDCでは予測している。その一方で、手軽に開発できてしまう分、野良アプリの乱立や情報漏洩などのリスクも指摘され始めている。企業や組織がローコード/ノーコード開発を安全に進めていくには、ローコード/ノーコードCoE(Center of Excellence)を設置し、開発の標準化やフレームワークの作成、アプリケーションの品質管理や開発権限の管理などのガバナンスを策定していくことが重要となる」とコメントしている。

  • ローコード/ノーコードCoEの役割 引用:IDC Japan