ASMLは4月20日(欧州時間)、2022年第1四半期(1~3月期)の業績発表を行い、売上高はガイダンス上限の35億3400万ユーロ、粗利益率はガイダンス通りの49.0%、純利益は6億9500万ユーロとなったことを発表した。

同四半期に販売された露光装置(新品)は59台(前四半期は72台)、中古露光装置は3台(前四半期は10台)となったほか、予約額は70億ユーロで、これには0.33NAおよび0.55NA EUV露光装置の予約分25億ユーロが含まれているとするほか、従来型のDUV露光装置の予約も多数含まれているという。同社は、世界的な半導体不足を背景に顧客が生産能力を増強しており、受注は堅調に推移していると説明している。

また、露光装置の販売内訳は、前四半期は10台販売されたEUVが3台に留まっており、売り上げに占める割合も前四半期の46%から26%に低下している。用途別では、前四半期はロジックとメモリが7:3の比率であったが、同四半期では5:5とメモリ向けが伸びたほか、国・地域別では中国が前四半期の22%から同四半期は34%と存在感を示し、一方で台湾が前四半期の51%から22%に落としている。ちなみに、前四半期では日本および米国への販売がなかったが、同四半期ではそれぞれ7%、6%となっている。

さらに、2022年第2四半期の業績については、売上高が51~53億ユーロ、粗利益率が49~50%になると予想している。ただし、2022年通期売上高は年初の前年比20%増との予想を据え置いた。ロジャー・ダッセン最高財務責任者(CFO)は、労働力、輸送、エネルギーなどのコスト上昇により、業績が抑制され、通年の粗利益率は1月に予想した53%よりも52%に近くなる可能性があると述べている。

  • 2022年第1四半期と2021年第4四半期のASMLの売上高を露光装置別、用途別、地域・国別で分けたもの

    2022年第1四半期と2021年第4四半期のASMLの売上高を露光装置別、用途別、地域・国別で分けたもの (出所:ASML発表資料)

なお、ASMLでは、同四半期の製品トピックスとして、ロジックとメモリの両方の顧客から、高NA EUVであるEXE:5200システム(EUV 0.55 NA)の注文を複数受けたことや、アプリケーション事業として、eScan430よりも高解像度でスループットが50%高速な次世代シングルビーム検査システム「eScan460システム」を出荷したことがあげられると指摘している。