セイコーソリューションズは4月21日、屋外設置に対応したモバイル通信事業者向け10ギガビット・イーサネット対応のPTPグランドマスタークロック「Time Server Pro. TS-2924」を開発し、2022年6月より販売を開始すると発表した。価格はオープン。
同製品は、国内外のモバイル通信事業者で導入している小型PTPグランドマスタークロック「Time Server Pro. TS-2910シリーズ」の機能とスペックを踏襲しており、スムーズな機器更新が可能。また、TS-2910シリーズ屋外モデル「TS-2914」と同一筐体を採用しているとのこと。
GNSSレシーバーのPRTC-B(時刻標準装置の精度を定めた国際標準においてUTCに対する時刻誤差40ナノ秒以内を満たしている装置)に準拠しており、耐マルチパス機能にも対応。またアンチジャミングおよびアンチスプーフィング機能を強化しており、IPv6にも対応している。
現在、日本のみならず世界的にもモバイル通信の主流は4Gから5Gへの移行段階にあり、帯域利用の効率化やアプリケーションの多様化に伴う通信品質向上を実現するため、より高度な通信方式が必要とされている。
基地局間の連携には高精度同期が必要なことから、国際標準の時刻同期基準であるPRTC-Bにおいて、5Gモバイルネットワークを構築するうえでグランドマスターに要求される絶対時刻との誤差は±40ナノ秒までしか許されていない。
「TS-2924」は、このPRTC-Bに準拠したうえで屋外設置が可能なため、モバイル通信事業者は、多様な環境に設置される基地局による5Gモバイルネットワークをより柔軟に構成できるようになるとのことだ。