グーグル・クラウド・ジャパンは、同日~同21日の期間で開催している各業界で活躍する開発者やそのリーダーに Google Cloud の最新ソリューションを紹介するカンファレンス「Google Cloud Day: Digital ’22」を開催。本稿では初日の「企業のDXを進めるGoogle Cloudの最新ソリューションと事例を学ぶ」と題した基調講演の内容をお伝えする。
企業のデータドリブンなイノベーションを支援
はじめに登壇したのは、グーグル・クラウド・ジャパン 代表の平手智行氏だ。まず、同氏は「DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現が最重要課題となっている現在では、あらゆる業界の組織は5つの課題に直面している」と述べた。
同氏が指摘する課題とは(1)自社のデータ利活用は業界で最高レベルか?、(2)市場変化に即応して競争力を維持するには何が必要か?、(3)データ保護とシステムセキュリティ、顧客のプライバシーは万全か?、(4)従業員に最適な働き方を提供する環境であるか?、(5)世界が直面している環境問題に組織として取り組んでいるか?の5点を挙げている。
データ利活用については、データドリブンの組織はグローバルで24%、日本では10%未満となっている。そのため、組織変革を加速してデータ活用で即効性のあるビジネストランスフォーメーションを実現することが重要だという。こうした状況に対して、同社のData Cloudは組織内で分散したデータの収集から統合、分析、機械学習の活用まで高度な即時性と汎用性によりデータを統合し、ビジネス価値を生み出すことを可能としている。
市場変化に即応して競争力を維持することに関しては、インフラとアプリケーションのモダナイゼーション(近代化)が必要不可欠であり、同社の「Open Infrastructure Cloud」はオンプレミスとのハイブリッド、他社クラウドとのマルチクラウド、ネットワークエッジに対応している。
セキュリティ面では、同社は今後5年間で1兆円の対策投資や政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)への登録が完了し、ガバメントクラウドの構築支援も行っている。
最適な働き方の環境は、従業員や取引先とのコラボレーションが重要視されている昨今、同社はGoogle WorkspaceやWork Saferで支援し、オフィスのみならず現場でのコラボレーションも高め、DXを推進するとともにローコード、ノーコードにより現場力を強化するという。
環境問題への取り組みに関しては、サステナビリティは企業において最重要課題の1つではあるが、同社は2007年にカーボンニュートラルを達成しており、2030年までにカーボンフリーの実現を目指している。同社ではCO2排出量を確認し、気候変動に関する目標に対する進捗状況を測定、確認することが可能な「Carbon Footprint」を提供している。
こうした、取り組みをふまえ、平手氏は「当社は引き続き、企業のデータドリブンなイノベーションを支援し、市場での競争力強化に向けて全力で取り組む」と力を込めていた。