ライオンと日立製作所(日立)は4月20日、研究所で開発した新たなハミガキの組成に基づいて実際に工場で製品を生産する際に生じる課題を事前に予測し、製造プロセスの最適な組成情報や物性情報の案を自動提案するシステムを開発したことを発表した。
今回の研究開発では、ライオンが有する「ハミガキの製品開発の知見」「原料配合量の組み合わせ」「物性測定データ」などのサンプルデータに対し、日立の新材料や代替材料を効率的に探索するMI(マテリアルズ・インフォマティクス)技術を適用して物性を予測するモデルを構築している。
このモデルを活用して、研究所で新たに開発したハミガキの組成や物性の情報から移送性を事前予測するとともに、移送性の情報などの目標とするハミガキの物性値から逆解析することで、最適な組成情報や物性情報の候補を自動で提案可能になったとしている。
同システムの導入により、組成開発の初期段階で製造プロセス工程の課題を事前に予測可能になると期待される。そのため、製造の妨げとなる事象の発生率低下が見込めるとしている。将来的には、最大で従来の開発業務時間を約40%削減できるとのことだ。