レノボ・ジャパンおよびレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)は4月19日、2022年度の事業方針を説明。その中で、新たなパートナープログラム「Lenovo 360」を国内でも展開し、パートナービジネスを強化する姿勢を見せた。
レノボ・ジャパン 代表取締役社長 デビット・ベネット氏は、2021会計年度 第三四半期(10月~12月期)のレノボ・グループ業績(ワールドワイド)が売上、利益ともに過去最高を記録したことを明らかにし、「非常に良い業績を残すことができた。この成果の理由は、お客様のDXのニーズにうまく応えられたからだ。日本については、非連続な変化が起きてきている。レノボはポケットからクラウドまで、『From Pocket to the Cloud』でこうした課題を解決できるポテンシャルを持った会社だ。問題は、そのポテンシャルをどうやって発揮するかだ。2021年度は、リモートワークのツールとしてのThinkPad、Thinksmartのような会議システム、バーチャルテクストップのようなインフラの提供がフィットした。2021年度は、こういったデバイスだけでなく、ソリューションも一緒に提供した点が大きな違いだ。製品に有償サービスをセットで販売した実績が一番高かったのは日本だ。まだまだ、グループの力を1つにすれば、レノボのポテンシャルを発揮できる。それが、今年のチャレンジだ」と述べた。
ベネット氏が語ったグループの力を1つするための施策がグローバルで展開する新たなパートナープログラム「Lenovo 360」だ。「Lenovo 360」は、サーバなどデータセンター向け製品を扱うLESと、PC、スマートデバイスを中心とするレノボ両社のインセンティブ制度を含めたチャネル販売パートナー制度を統合したもの。
組織もレノボ、LES両社のパートナーの販売部門が統合され、新たに「パートナー事業本部」としてレノボ内に設置され、レノボ・ジャパン執行役員の荒木俊彦が責任者に就任した。
パートナー事業本部は、製品カテゴリ横断でサポートするパートナー企業の専任担当(PEOPLE)をアサインして窓口を1本化。専用のポータルサイト(PLATFORM)や新しい報奨金プログラム(PROGRAM)もスタートさせる。
専用のポータルサイトでは、デジタルプラットフォームを通じて製品情報の展開、見積もり作成支援から共同マーケティングまでを一気通貫で提供するデジタルプラットフォームである「Lenovo Partner Hub」の日本での本格展開を開始する。
荒木氏は、「Lenovo 360はPEOPLE、PLATFORM、PROGRAMの3つが骨子で、とくにパートナー様にとってはPEOPLEの部分が大きい。プログラムのスタート時点で注力するのは、ハイブリッドワーク、インフラストラクチャ、Verticalの3つだ。ハイブリッドワークは、それを実現するデバイスから仮想デスクトップ基盤、コラボレーションインフラが含まれる。インフラストラクチャはハイブリッドクラウドやエッジコンピューティングが含まれる。そして、Verticalは業種・利用シーンごとに特化して深掘りしたソリューションを提供する。現在はデザインや設計の領域にワークステーションや仮想現実などのクラウドソリューションを提供することを考えている」と語った。
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 代表取締役社長 ジョン・ロボトム氏は、、2022/23会計年度では、レイヤーを超えた日本におけるレノボ・グループの最注力領域として、「ハイブリッドワーク環境とコラボレーション」、「モダンデプロイメントからモダンマネジメントへ」、「設計とデザインプロセスの刷新」、「ハイブリッドクラウド」、「アナリティクス & AI」、「エッジコンピューティング」の6つを挙げた。