IDC Japanは4月19日、2022年における国内AI(人工知能)システムに関する企業ユーザーの調査結果を発表した。AIシステムを把握する企業の担当役員や管理職、情報システムシステム担当者など511社が調査対象。
同調査によると、AIシステム利用について、全社的もしくは事業部門単位で実際に利用していると回答する実利用の合計の割合が53.1%だったことが分かった。前年と比較して17.5ポイント上昇した。また、2018年以降の経年調査において実利用とPOC(概念実証)の合計の割合は相対的に増加しており、同時にPOCが一定数の割合で存在し続けることが示された。
これらの具体的な要因の一つとして、企業ユーザーがAIシステムを利用する目的(ユースケース)の取扱数が増加してことがあげられた。2021年の調査では企業ユーザー1社あたりの取り扱いユースケース数が3.0種類に対し、2022年の調査では3.6種類だった。
2021年におけるユースケースの種類では品質管理、ITオートメーションを採用する割合が全体の30.0%を超えた。なお、2022年の調査において翌年度に増加予定のユースケース数は2021年との比較において増加傾向であり全体では3~5個追加予定が37.0%と最も多く、また6個以上追加予定の割合も増加傾向にあるという。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの飯坂暢子氏は「企業ユーザーのAIの実利用が拡がることによりユースケースの多様化が進み、同時にデータの質や量、推論モデルの実行拠点が拡張している。データライフサイクル全体を俯瞰し、データ管理や分析など同期のとれたデータマネジメントが求められる」と述べている。