新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークが一般的なビジネスシーンになった。テレワークをスムーズに進める方法の一つがビデオ会議だが、もしかするとそのビデオ会議システムはマイクをミュートにしている間も音声データの収集を行っているかもしれない。大学の研究者らが調査の結果、ビデオ会議アプリはミュート中もマイクへのアクセスを放棄しておらず、音声データの収集を行っていると指摘したのだ。
ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)の研究者らがこのほど、「You’re muted — or are you? Videoconferencing apps may listen even when mic is off」において、ビデオ会議アプリケーションの動作を解析し、マイクを「ミュート」に設定してもアプリがマイクへのアクセスを放棄しておらず、生の音声データを収集していることが明らかになったと伝えた。
研究者らはWindows、Mac、iOS、Androidなどの主要なオペレーティングシステムにおいてさまざまなビデオ会議アプリケーションの動作を解析、テストしたすべてのアプリにおいて、マイクの『ミュート』中に生の音声データの収集が観測されたと伝えた。
あるアプリに関しては、収集と同時にサーバへデータ送信も行っていたという。テストが行われたアプリケーションに関しては明らかにされていない。研究者らは今年7月に開催される「Privacy Enhancing Technologies Symposium」において、研究の成果を発表する予定としている。