ICT総研は4月18日、クラウドストレージサービスの市場動向に関する調査結果を公開した。クラウドストレージの個人利用市場は2023年度に5,620万人、市場規模は920億円になると予測している。
同レポートは、クラウドストレージサービス利用者の実態を把握するため、4,407人に対して4月に実施したWebアンケート調査の結果をまとめたもの。
ICT総研の調査・推計では、2020年度(2021年3月末)に5,176万人だった日本の個人向けクラウドストレージサービス利用者は、2021年度に5,345万人となり、2023年度には5,620万人に増えるとみている。有料サービスの利用者数は2021年度が1,535万人で、2023年度には1,640万人へ増加すると予測する。
個人利用(仕事以外で利用)のクラウドストレージサービスの中で最も利用者数が多かったのは、Google ドライブで1,214人、2位がiCloud drive(アップル)で775人、3位はMicrosoft OneDrive(以下OneDrive)で500人、4位がDropboxで462人。前回調査(2020年6月)に引き続きGoogleドライブがトップとなった要因の1つとして、Androidスマートフォンユーザーの増加を挙げている。
前回調査で4位だったOneDriveは3位に上がり、前回6位だったAmazon Driveは5位に上がった。OneDriveは、「仕事以外で利用」している利用者数に対して「仕事で利用」している利用者数が多い点が特徴。今後はサービスの取捨選択がさらに進み、大手事業者のシェアが高まる傾向は続くとICT総研はみている。
仕事以外でのクラウドストレージサービス利用者のうち、「有料サービスを利用中」と回答した利用者は14.6%。「今後は有料サービス利用を検討」と回答した利用者は13.5%で、「今後も無料サービスを利用」と回答した利用者は58.4%で、前回調査と比べ有料サービス利用者、利用意向者が増加。今後有料利用者は増加する傾向になるとみている。
クラウドストレージサービスの顧客満足度トップはGoogle ドライブで73.7ポイント。次いでMicrosoft OneDriveが71.3ポイント、Dropboxが70.6ポイントと続いた。前回調査と比べて、全体的に顧客満足度は低下傾向にあるが、Microsoft OneDriveは前回の69.5ポイントから71.3ポイントに満足度ポイントを上昇させた。
仕事以外で利用中のクラウドストレージサービスの現在の利用容量を聞いたところ、「1GB未満」が37.4%、「1GB以上10GB未満」が36.7%、「10GB以上100GB未満」が18.0%、「100GB以上」が7.9%。利用容量は増加傾向にあり、仕事以外の利用においても、写真、動画、音楽などを高品質なサイズで保存するニーズが拡大しており、今後もクラウドストレージサービスの利用容量は増加傾向を続けるものとICT総研はみている。