半導体およびPDF基板搬送・保管装置メーカーのローツェは4月12日、2022年2月期(2021年3月~2022年2月)の決算概要を発表した。
それによると、半導体関連装置の売上高は前年度比71%増の約576億円、FPD関連装置の売上高は同70%減の約37億円、連結売上高は同32%増の670億円と過去最高を更新したという。また、営業利益は、同70%増の158億円、純利益はほぼ倍増の128億円とこちらも過去最高を記録したという。
売り上げ比率を国・地域別に見ると、米国31%、中国27%、台湾16%、日本10%、韓国6%、その他10%となっており、前年度18%であった中国のシェアが伸びていることが注目される。
中国が伸びた背景には、成長拡大が続く製造装置メーカー向けウェハ自動搬送装置(EFEM:Equipment Front End Module)の伸びが大きく、その売上高は前年度比2倍となったとするほか、今後も伸びが期待されるとしている。また、台湾では、ファウンドリ向けウェハソーターの売り上げが伸びたとしている。
同社は、2022年夏にも、中国上海でのEFEM量産工場の稼働を予定しており、今後、急成長が期待できる中国ビジネスに注力するとしている。
一方、FPD関連装置に関しては、新型コロナの感染拡大により、ベトナムおよびインド向け自動化装置の納入が一時中断、低調に推移したとするほか、大型投資がなく、計画比、前年度比ともに売り上げが減少したとしている。今後は、インドでのライン立ち上げを見込むとするほか、韓国の主要取引先であるSamsung Displayからの大口受注案件も見込むが、時期、規模などの不透明感が続いているとする。
現在、ローツェの主力工場群があるベトナムで建設中のA10新工場は2022年8月に竣工を予定しているが、新型コロナの感染拡大により工事業者の感染者増加の影響から工期は若干の遅れる見込みだという。同社のベトナムでの従業員数は、過去1年で1000人以上増えて2021年末時点で2851人に達したが、A10新工場の稼働でさらに増加する見込みだという。一方、中国でも半導体向けEFEM最終組み立てを本格的に開始するために上海のレンタル工場を2022年8月に稼働させる予定であったが、上海での新型コロナ感染の拡大によるロックダウン(都市封鎖)の長期化により、内装工事が中断を余儀なくされており、スケジュール通りに進むかは不透明な状況となっているという。