米Dropboxの日本法人であるDropbox Japanは4月14日、同社が提供するストレージサービス「Dropbox」のバックアップ機能に基づいて作成されたバックアップサービス「Dropbox Backup」の提供を開始すると発表した。

  • Dropbox Japanは同社が提供するストレージサービス「Dropbox」のバックアップ機能に基づいて作成された「Dropbox Backup」の提供を開始する

「Dropbox Backup」は、新しい復元フロー、パソコンでのバックアップ管理の設定など、ユーザーからリクエストがあった新機能を取り込む形で、サービスとして提供される。スタンドアロン型のクラウドバックアップソリューションであるため、Dropboxのアカウントを持っていなくても利用可能。

「バックアップの適切な運用は難しい」と、Dropbox Japan アジア太平洋・日本地域統括ソリューション本部長 岡崎隆之氏は説明した。というのも、家庭・オフィス環境ではホコリが多いため、機器が故障しやすく、メンテナンスも手間がかかる。ランサムウェアなどによって破壊されたデータを「バックアップ」してしまい元データが復元できないといった事例も多い。また、必要なファイルがどのドライブに入っているかを管理するのも面倒だ。

「バックアップ作業担当が引き継がれておらず、バックアップできていなかった」といった人的要因も考えられ、「大容量化によりリストア処理も長時間かかるようになった。数日かかることも珍しくない」(岡崎氏)という。

  • Dropbox Japan アジア太平洋・日本地域統括ソリューション本部長 岡崎隆之氏

Dropboxのクラウド同期サービスは、ハードドライブの空き容量を増やしたり、他のユーザーにコンテンツへのアクセスを許可して共有やコラボレーションを可能にしたりできるサービス。提供を開始する「Dropbox Backup」は、ファイルやフォルダの「コピー」を自動でバックアップし、必要に応じてクラウドからすぐに復元できる。写真、動画、個人用ドキュメントなど、大切なファイルを保護するために必要な対策を事前に講じることが可能だ。

「Dropbox Backup」はデスクトップからすべてを管理できる。進行状況や履歴の確認、特定ファイルの優先設定が設定は1カ所で完結する。ファイルは共有ファイルから分離してバックアップされるため、緊急バックアップを上書きしてしまう心配がない。復元は数回クリックするだけで開始でき、ファイルはクラウドのバックアップから自動で復元される。

  • Dropbox Backupの特徴

既存のDropbox利用者は、各プランの上限デバイス数まで対象となり、バージョン履歴は30~180日管理できる。各プランのストレージ上限が容量の上限だ。一方Dropbox Backup プランは、コンピューター1台と外部ドライブ1台が対象で、容量は無制限となっている。

  • Dropbox Backup機能の提供形態

「『クラウドよりもローカルのほうが安全』、『クラウドよりもローカルのほうが安い』、『バックアップはとれているから心配ない』と、バックアップにまつわる誤解は多い。Dropbox Backupの提供により、ユーザーが感じるバックアップにまつわる『難しさ』を解消したい」(岡崎氏)