TSMCが、2022年8月にも3nmプロセスの派生形の1つ「N3B」プロセスを用いた量産を新竹科学園区と南部科学園区にて開始する模様であると台湾メディアが報じている。
2か所の異なる拠点で同時に同一プロセスを採用するのはTSMCにとって初の試みだという。
同社の3nmプロセスは、従来のFinFET構造を継続採用しており、3nmプロセスにて新たにGate-all-Around(GAA)構造を採用しようとして、歩留りが向上していないと噂されるSamsung Electronicsをしり目に、3nmプロセスでもTSMCが先行する可能性が高いという。
TSMCのサプライチェーン関係者からの情報によると、N3Bの月産能力は新竹のFab12B Phase8(8棟目)が1~2万枚(300mmウェハ)、南部のFab18B Phase5で同1万5000枚がそれぞれ計画されているという。あくまで憶測レベルの話であるが、新竹のファブでは、Intelのプロセッサを、南部のファブでは、AppleのノートPCやiPad向け次世代プロセッサの生産が主に行われる模様だという。
なおTSMCは、2023年にも3nmプロセスの派生型である「N3E」の量産を開始する予定で、N3Bと合わせた3nmプロセスの月産能力を合計で5万枚とする計画のようだとも言われており、2023年以降はAppleならびにIntel以外の大口顧客向けの製造も開始するものとみられるという。
台湾半導体関係者によると、TSMCは4月14日に開催を予定している四半期の業績説明会において3nmプロセスについて言及する可能性があるとの噂が流れているほか、2022年6月に開催予定のプライベート技術フォーラムにて、詳細が明らかにされる可能性があるともしている。