クリックテック・ジャパンは4月7日、米Qlikが実施した最新のデータリテラシー調査に関する結果を発表した。経営層も従業員も2030年にはデータリテラシーが最も需要の高いスキルになると予測している。
QlikがThe Future Labsと共同で作成したレポート「データリテラシー調査:『スキルアップの革新』」は、2021年10月から11月にかけて英国、米国、ドイツ、フランス、日本、オーストラリア、ニュージーランドにおいて従業員50人以上の企業の経営層1,209人と正規従業員6,197人を対象にCensuswideが実施した調査に基づいており、日本の経営層200人および正規従業員1,000人の調査結果が含まれる。
同レポートによると、企業は受け身のデータ消費から継続的なデータに基づいて即時の行動を促すアクティブインテリジェンスへとシフトするにつれて、必要とされるスキルや就業機会に影響が出るものと予測。経営層も従業員も2030年にはAI/MLおよびデータリテラシーが最も需要の高いスキルになると予測しており、経営層の87%(グローバル 85%)は、将来データリテラシーが不可欠になると考えている。
調査対象となった日本の従業員は、意思決定におけるデータの利用とその重要性はここ1年で増加したと回答した一方、経営層の89%(グローバル 89%)は、どのようなデータに基づいて意思決定を下したかという説明ができるようになることを従業員全員に期待している。
調査に参加した経営層は、従業員の働き方はインテリジェンスを与えてくれるツールと協調したものになって、よりよい意思決定が可能になり(85%、グローバル 84%)、生産性も向上するだろう(79%、グローバル 83%)と考えている。
それ実現するために、経営層の35%(グローバル 40%)は自社が「最高自動化責任者」(CAO)を今後3年以内に任命すると予測し、今後10年以内に任命すると予測する経営層は99%(グローバル 99%)にのぼる。しかし、企業の投資は上級職の採用にとどまらず、この移行に際しては現場従業員もサポートを必要としている。調査対象となった従業員の半数以上(53%、グローバル 58%)は、AIの利用が進んでもデータリテラシーがあれば仕事を続けられると考えている。
調査対象となったどの経営者も、データリテラシーを発揮できる求職者には給与の増額を提示するつもりだと回答。給与増額の平均値は29%(グローバル 26%)であり、平均的な日本の従業員であれば年収が128万円増えることになる。データリテラシーのスキルに十分自信があると回答したのは、従業員のわずか5%(グローバル 11%)だが、ビジネスリーダーの間では将来の職場に対応するスキルの習得は、企業や教育機関の責任というより、個人の責任だと考えている。
企業におけるデータリテラシーのトレーニングは増えているが、主にデータ関連の仕事に就いている従業員が対象となっており、人事、財務、マーケティング部門の従業員に提供しているのはおよそ10社中1社となった。しかし、これらの部門で働く従業員の2/3以上が、すでに現在の仕事を遂行する上でデータリテラシーが必要だと述べている。
従業員の2/3以上が自分の時間と資金を投じて、企業で将来必要とされる仕事のスキルを習得しようとしており、そのために月平均約7時間、年平均約21万円を費やしている。なかには会社を辞める人もおり、従業員の27%(グローバル 35%)は勤務先がスキルアップやトレーニングの機会を十分に提供していないという理由で、過去12カ月の間に離職したと回答した。