産業向けフラッシュストレージ製品を展開するSwissbitの日本法人スイスビットジャパンは、基幹業務用アプリケーションを中心とした産業用途で利用されるSSDに向けて、データ損失を最大限に保護する電断データ保護機能「パワーセーフ」を発表し、同機能を搭載した製品の第1弾として「X-75シリーズ」の販売を4月8日より開始した。
Swissbitが提供するすべてのストレージソリューションには、データ損失の保護に最適化されたPLP技術が標準装備されているが、今回発表したパワーセーフは、PLPのレベルを高める付加機能であり、ホストから転送されたコントローラーのダイナミックデータ、およびDRAMからNANDへのキャッシュデータを確実に転送することで、データ保護を実現するとしている。
パワーセーフ機能の技術は、ファームウェアとハードウェア機能の組み合わせによって実現しており、SSDの動作中にエネルギーを蓄える高信頼性のタンタルコンデンサがベースとなっており、停電が発生した場合には、コンデンサに蓄積された電荷を利用することで、ダイナミックデータとDRAMキャッシュ内のデータの両方をNANDフラッシュアレイに安全に書き込むことを可能としている。
SSDの動作中に供給電圧が臨界閾値に達した場合、ファームウェア内の電源管理システムによって電源がホストから切断され、代わりにコンデンサの安定化電圧に接続。これにより、キャッシュデータをNANDフラッシュに完全に書きこむための十分な電力が供給可能となり、ホストからSSDに送られるライトコマンドを安全に実行することができるという。
同社は、一部のSSDシリーズにおいて「パワーセーフ」をオプション機能として用意しており、対象シリーズの製品名にはPの文字が付加される。第1弾の製品となるX-75シリーズは、2.5インチSSDおよびM.2フォームファクタがラインアップされ、いずれも拡張PLP保護オプションとしてパワーセーフを選択できる。
この他に、3D NAND(TLC)をベースとしたSATA IIIインタフェース搭載のSSDも提供しており、容量は240GB~1.9TBで、産業用途に求められる動作温度が保証された耐久性と信頼性を備えているという。