米Salesforceは4月6日(現地時間)、同社のCRM(顧客管理)アプリケーションである「Service Cloud」とマーケティングプラットフォーム「Marketing Cloud」の機能強化を発表した。
Service Cloudではカスタマーサービス担当者とフィールドサービス業務向けの新機能が、Marketing CloudではCDP(Customer Data Platform)とデータインテリジェンスの新機能が実装された。
- Service Cloudの新機能①:カスタマーサービス向け
AWSが提供する音声解析サービス「AWS Contact Lens」とService Cloudを連携しているユーザーは、Salesforce上で同サービスの機能を利用できるようになった。例えば、顧客との会話から製品に関する重要なフィードバックを特定し、センチメント分析とキーワード抽出に基づいてより適切にエージェントを指導、管理することができる。
Service Cloud内のコンタクトセンター業務支援のクラウドサービス「Service Cloud Voice」では、新しいテレフォニーパートナーにGoogle CloudとGenesysが加わった。両社が導入予定のテレフォニーコネクターによって、電話データと顧客データを統合し、通話内容の文字起こしとメモを自動化することで、顧客と通話をしながらリアルタイムで推奨されるアクションを確認できるようになった。
- Service Cloudの新機能②:フィールドサービス業務向け
客先に出向いた機器の設置・保守・修理・メンテナンス業務などを行うフィールドサービス担当者は、Field Service Mobileアプリケーション使用時に「Multi-level Offline Briefcase」を利用し、必要なレコードをオフラインで閲覧できる。暴風雨の被害を受けた複雑な通信機器の修理などのリモート業務を行う場合、セルラー回線の電波の有無に関わらず、フィールドサービス担当者は、作業計画、手順、安全チェックリストなどのデータをその場で確認できる。
また、「ビジュアルリモートアシスタント」により、顧客はAR(拡張現実)を利用した一対一のバーチャルサポートセッションを予約・開始するか、電話でヘルプセンターのサポートを受けるかを選択できるようになった。企業はフィールドサービス担当者の訪問回数を減らすことができ、また迅速に問題解決する選択肢を顧客に提供することができる。
- Marketing Cloudの新機能①:CDP
「Streaming Insight」と「Data Action」を利用することで、マーケターは新規顧客、最新の商品取引、支払いに関する問題などのデータ信号をほぼリアルタイムで把握し、ワークフローイベントを起動させることができる。
「Advanced Identity Resolution」では、AIを使用して異なるデータを照合、統合し、より正確に顧客を特定できる。住所、電子メール、電話番号などの重複したフィールドや、「Sam」と「Samantha」のように複数の綴りがある名前、頻繁に短縮されるニックネームのレコードを統合した顧客プロファイルを構築できる。
新しい「Anonymous Profile」を利用することで、マーケターは顧客が匿名状態のときにプロファイルを追跡し、豊富なデータの履歴を構築。それらのデータを既知のプロファイルにつなげられる。
- Marketing Cloudの新機能②:データインテリジェンス
「Intelligence Reports for Engagement」により、マーケターは主要なパフォーマンス指標をメール開封率から移行し、デバイス、クライアント、OS、ブラウザごとにメールパフォーマンスを評価可能だ。
「Intelligence」により、マーケターは新しい動的な可視化ツールで、カスタマイズ可能な単一のビューで、通貨、チャネル、キャンペーン、時系列、ビジネスユニットなどを比較し、深いデータセットを探索および分析できるようになった。