動くトラックパッドのようなAppleのマウス
Appleプロダクトは周辺機器も含めてAppleの提供するもので完結できる。Macを使うならキーボード、トラックパッド、マウスもApple製だ。ただし、Appleの周辺機器はスペックという視点から比較すると、同等の性能のサードパーティ製周辺機器よりも高価なことが多い。それでもAppleプロダクトでそろえるのは、プロダクト自体がスタイリッシュであり、親和性がよくて使いやすいからだ。
しかし、Appleプロダクトは嗜好性という点では幅が狭い。例えば、Appleが提供しているマウスは「Magic Mouse」だが、基本的にはこれしかない。
Magic Mouseはいわゆるボタンとしては1つしかない。代わりに、表面がマルチタッチになっていて、トラックパッドで行うような操作をマウス上で行うことができる、マウスの形をしたトラックパッドのような作りになっている。ボタンだけ見ると1ボタンマウスのように見えるが、これで多くの操作ができる。
しかし、マウスに関しては、他のベンダーも魅力的な製品を提供している。そうしたマウスを使いたくなるのは当然なのだが、Macは1ボタンマウスから発展してきたように、マウスにボタンを求めない。このため、Macの標準の状態では、人気の5ボタンホイールマウスは性能を発揮できないのだ。
人気の高い5ボタンホイールマウス
マウスを選ぶことになれば、まず候補に挙がってくるのが「5ボタンホイールマウス」だ。マウスの前部が3つのボタンになっている。真ん中のボタンはホイールになっており、ボタンとして押すこともできるし、ホイールを上下に回転させることもできる。ホイールはスクロールに対応しており、直感的に操作できる。
このボタンに加えて、右手で操作するモデルなら親指の部分に2つのボタンがついている。これで合計5ボタンだ。
このボタンを、本稿では「ボタン4」と「ボタン5」と呼ぶ。「ボタン4」と「ボタン5」に機能を割り当てて使うのがこの5ボタンホイールマウスの美味しいところだ。アプリケーションごとに異なる機能を設定することも多く、操作効率の向上に寄与してくれる。
Macは「ボタン4」と「ボタン5」の設定を提供していない
ただし、ここで注意が必要だ。「ボタン4」と「ボタン5」はオプションという扱いになっていることが多いのだ。Macは「ボタン4」と「ボタン5」をカスタマイズする方法を提供していない。
状況はWindowsでも同じで、「ボタン4」と「ボタン5」を設定するデフォルトの方法は提供されていない。では、5ボタンホイールマウスの「ボタン4」と「ボタン5」はMacではまったく使えないのかといえば、そんなことはない。
Macで「ボタン4」と「ボタン5」を使う方法は主に2つ
Macで5ボタンホイールマウスの「ボタン4」と「ボタン5」を使う方法はいくつかあるが、本稿執筆時点で有力な方法は次の2つだ。
- マウスベンダが提供しているユーティリティツールを使う
- マウスベンダではないサードパーティが提供しているユーティリティツールを使う
Mac対応をうたっているマウスであれば、そのベンダーがMacでボタンの動作をカスタマイズするためのユーティリティツールを提供していることが多い。本稿執筆時点では、この方法が正攻法だ。ベンダーがサポートしているので長期にわたって使える可能性が高く、不具合も修正されていく可能性が見込める。よく使われているマウスを選ぶと、「長く使える」という点において有利になる。
もう一つ、マウスベンダではないサードパーティがマウスをカスタマイズするユーティリティツールを提供しているので、これを利用する方法がある。ユーティリティツールはオープンソース・ソフトウェアから商用ソフトウェアまで、さまざまだ。使いたいマウスにユーティリティツールが提供されていない場合は、こちらを検討することになる。