IC Insightsによると、2021年のアナログIC市場は、前年比30%増の741億ドルと、過去最高額を記録したという。また、その出荷個数も同22%増の2151億個と、過去最高を更新したという。
市場成長の背景には、出荷個数の増加に加え、アナログICの平均販売価格が(34セントへと)6%上昇したことがあげられるという。2021年以前、アナログICの平均販売価格が上昇したのは、2004年にまでさかのぼる必要があるという。
また、2022年のアナログIC市場についても同12%増の832億ドル、出荷個数も同11%増の2387億個となるとIC Insightsは予測しているほか、平均販売価格についても、同1%ほどの上昇を予測している。
2022年については、アナログIC売上高のうち、約6割が特定用途向けとなると見られており、その成長率は同13%増、一方の汎用アナログの成長率は同10%と予想されているほか、製品カテゴリ別としては、車載向けが同17%ともっとも成長率が高く、次いで通信分野向けが同14%となっている。
なお、2022年のアナログIC市場を製品カテゴリ別で見た場合、5G携帯電話の出荷の増加とそれをサポートするインフラストラクチャを擁する通信分野が最大市場で、全体の約31%を占めると見られている(無線通信用が91%、有線通信用が9%の内訳)。また、汎用の電力管理分野が2番目の規模となることが予想されており、この背景には、電力管理チップが電力使用量を調整してデバイスの冷却を維持し、バッテリー寿命を延ばす働きをするため、携帯電話やラップトップ、その他多くのモバイル/バッテリー駆動システムの重要な機能であることに加え、ステッピングモーターや通信インタフェース、ディスプレイのバックライトなどの機能も調整する場合もあるためだという。