凸版印刷は4月1日、会社分割により、半導体用フォトマスク事業を行う新会社「株式会社トッパンフォトマスク(トッパンフォトマスク)」を設立したこと、ならびに独立系投資ファンドのインテグラルを同新会社の出資パートナーとして、株式譲渡契約を締結。凸版印刷とインテグラルの合弁会社として4月1日から事業を開始したことを発表した。
世界的な半導体不足を背景に、半導体メーカー各社は生産能力の増強を進めており、それと併せて、半導体回路の原板となるフォトマスクの需要も増加しているという。凸版は1961年より、フォトマスク事業を展開。ワールドワイドな生産体制を構築し、半導体用フォトマスクの外販市場におけるトップクラスのシェアを有してきた。
今回の分社化は、半導体市場の急速な成長により、フォトマスク市場が変曲点を迎えており、事業の継続的な拡大・成長のためには、市場環境の変化、顧客動向などを見極めながら、これまで以上に迅速かつ柔軟な研究開発投資と設備投資を行うことが必要と判断したことによるもの。独立した企業体として経営の自由度を高めることで、市場ニーズを捉えた投資を俊敏に実行し、さらなる成長と競争力の強化を実現・継続していくことが、顧客と株主への価値向上に資するとの結論に至ったと凸版では説明している。
なお、トッパンフォトマスクは凸版印刷の連結子会社としてそのサポートを受けながら半導体用フォトマスクの製造を継続するとともに、IPO支援の実績が豊富なインテグラルからの経営・ノウハウ面での支援により経営・ガバナンス体制を強化し、将来的な株式上場を見据え、事業を推進していくとしているほか、凸版印刷としても、半導体関連事業として、需要の旺盛なFC-BGA基板への対応強化を図るとともに、ヘルスケア、モビリティ、通信・センサ分野などの成長領域に対して、部材・デバイスの開発・提供を行っていくとしている。。