TISインテックグループのTISは3月30日、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する取り組みを実施・検討中の企業の担当者300人を対象に実施した「ユニファイドコマースに関する調査」の結果を発表した。
「ユニファイドコマース」は、実店舗とECで個別に運用してきた購買行動・顧客情報のデータ基盤を統合すること。顧客満足度を高めロイヤルカスタマーを育成する小売の新しいかたちとして注目されている。同社はこの新しい小売りの概念の認知度と企業における重要度を図るため、調査を実施。
同調査によると、ユニファイドコマースという言葉を聞いたことがある人は80%以上だった。その背景には、コロナ禍による消費者の購買スタイルの急速な変化を受け、さまざまなメディアで新たなマーケティング手法としてユニファイドコマースが取り上げたことがある。さらに回答者の約半数はユニファイドコマースの概念までを認知しており、理解が深まっていることがわかった。
また、61.3%の企業は、すでに実店舗とECのデータ基盤の統合に着手していると回答し、検討中の企業を含めると90%以上に及んでおり、データ基盤の統合は企業にとって重要課題となっていることが判明した。
さらに、ユニファイドコマースの取り組みの目的について、それぞれの優先度を調査したところ、顧客データや在庫データの統合と、それらの活用を重視する企業が多くみられた。優先度が高いのは「会員制度の共通化」(86.2%)、「実店舗とネットショップを横断した顧客行動の把握」(85.6%)で、実店舗とネット店舗での情報の分断は、多くの企業で課題と捉えられていることがわかった。
同調査により、ユニファイドコマースに対する関心やニーズの高さと、すでに多くの企業がその実現に向けて取り組みを開始していることが明らかになった。ユニファイドコマースを実現したい企業では、データ管理基盤の統合が重要課題となっている。そのデータ基盤統合にはマーケティング基盤だけでなく、社内システムとの連携も必要だと同社は指摘している。