インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月28日、全国の児童生徒に一人一台の端末と高速ネットワーク環境を整備する文部科学省の「GIGAスクール構想」において、ネットワーク環境の構築・運用を支援する「IIJ GIGAスクールソリューション」を、全国の自治体や教育委員会向けに提供を開始することを発表した。

同ソリューションでは、GIGAスクール環境でのインターネット利活用における課題の抽出、ネット利用状況の可視化とボトルネック解消のためのコンサルティング、安定した通信環境の構築や一元的なセキュリティ運用管理などをワンストップで提供する。

  • 「IIJ GIGAスクールソリューション」提供イメージ

具体的には、WAN(Wide Area Network)の利用状況を可視化する。WANを流れるトラフィックの内容を可視化する装置を用いて分析し、さまざまな特徴を可視化。トラフィックグラフやネットワーク機器の負荷状況からは見えない、団体・学校個別のアプリケーション利活用の実態や問題点をレポートする。

コンサルティングでは、「ネットワークが遅い、でも理由がわからない」といった、顧客の環境に潜むボトルネックを調査・特定し、解消方法を提案する。最適なインターネット接続環境を提案し、また、国立情報学研究所が運用する「学術情報ネットワーク(SINET)」に加入を認められている自治体や教育委員会には、SINETへの接続も支援する。

またIIJが、各種インターネット接続サービス、インターネットゲートウェイを構成する機器一式、学校へのフレッツ回線敷設などを一括提供し、一元的に運用保守を行う。なお、同ソリューションの提供価格は個別見積もり。

文部科学省によると、2020年4月から本格的にスタートしたGIGAスクール構想は、2021年4月末時点で義務教育課程の学校の97.6%が端末配備を、97.9%が学内ネットワークの整備を完了しており、「子どもたち一人一人が学習用端末を本格利用する」フェーズに突入している。

しかし、校内ネットワークが高速化しても、クラウドアプリケーションの利用や動画視聴、遠隔授業などによるトラフィック増大により、インターネット回線やWAN回線の帯域がひっ迫し、オンラインでの授業やイベントに支障が出るケースが報告されているという。

同社は同ソリューションの提供により、「ネットが遅い、つながらない」という問題を解決し、将来にわたって児童生徒や教育現場の方々が快適にインターネットを利用できる「アフターGIGAスクール環境」の実現を支援していく考えだ。