半導体市場動向調査会社であるVLSI Researchが、2021年の半導体製造装置メーカー売上高ランキングトップ15を発表した(各社の売り上げには、装置本体だけではなく、装置保守サービスの売り上げも含む)。
トップ15社中、最多7社が日本勢
トップ15社の本社所在国別内訳は、日本が最多の7社、次いで米国が4社、オランダ2社、シンガポール1社、韓国1社と、トップ15社のほぼ半分を日本企業が占めている。米国勢は4社と少なめだが、業界トップのApplied Materials(AMAT)が巨大であるため、国別の総売上高では、米国勢の方が上回る結果となっている。
トップ15社の日本企業の順位と社名は以下のとおり。
- 4位:東京エレクトロン(TEL)
- 6位:アドバンテスト
- 7位:SCREENセミコンダクタ―ソリューションズ
- 9位:Kokusai Electric (旧日立国際電気)
- 12位:日立ハイテク
- 14位:キヤノン
- 15位:ディスコ
蘭ASMグループからは3社(ASMI、ASMI、ASM Pacific Technology(ASMPT))がランクイン。このうちASMPTは、シンガポールに本社を置き、香港で上場している世界最大級の半導体後工程製造装置メーカーである。韓国勢は、Samsung Electronicsの子会社であるSEMES(元は大日本スクリーン、現SCREEN)と折半出資のK-DNS)がランクインしている。
超微細化で進むトップ4社による寡占化
半導体製造装置業界はプロセスの超微細化により、それに対応できる装置を提供できるAMAT、ASML、Lam Research、TELのトップ4社が売上高を前年比で伸ばし、寡占化が進んでいる。中でも4位のTELが3位のLamに肉薄した点は注目で、為替レート次第では、Lamを抜く勢いである。2位のASMLは、今後、微細化がより進むことにより、高額のEUV露光装置の販売状況次第では、AMATを抜いて再びトップに躍り出る可能性も出てきた。
ちなみに2021年のランキング順位は、1位から8位までが昨年と同じであった。9位以下は、2020年に9位だった日立ハイテクが、減収となり12位に順位を落とした一方、昨年11位だったKokusai Electricが9位にランクアップを果たしている。
VLSI ResearchのCEO兼会長であるDan Hutchinson氏は、「2021年は、多くの半導体製造装置メーカーの売上高が過去最高を記録し、非常に力強い年だった。しかし、サプライチェーンでの深刻な供給不足により、需要に追いつくのに苦労し、納期が延びたため、困難に直面した企業も多くあった。2021年の上位グループに順位の変動はなく、トップのAMAT、2位のASMLはともに売上高が200億ドルの大台を超え、3位のLamと4位のTELも売上高がともに160億ドルを超えた。これらに5位のKLAを含んだ5社の売上高合計は、市場全体の70%を占めており、前年比2ポイント近く増加した結果、市場の寡占化が進んだ」と述べている。
なお、VLSI Researchは、2021年にカナダに本拠を置く市場動向調査およびリバースエンジニアリングなどの技術情報プロバイダであるTech Insightsに買収されている。