後払い決済サービスを手掛けるネットプロテクションズは3月28日、全国の企業に勤める経理800名を対象に実施した「経理の業務の実態」の調査結果を発表した。
2022年1月1日に施行された改正電子帳簿保存法は、「電子取引におけるデータ保存」に関して大幅な改正があり、企業の経理業務のデジタル化が進むと予測されている。そこで同社は、経理800人を対象に負担に感じている業務や忙しさの変化を聞くとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)がどれほど進んでいるのかを調査した。
同調査によると、経理の人数は19年間で増えておらず、平均人数は減っていることが分かった。2019年度から2020年度にかけてわずかに増加はしているものの全体で見ると経理の人数は減少傾向となり、調査結果から毎年の平均人数を算出したところ19年間で5.0人から4.6人に減っていることが分かった。また、勤め先で経理の新たな採用予定があるかという質問に対しては全体の78%が「2022年度の採用予定はない」と回答した。
次に、21項目の選択肢の中で「勤め先で対応する割合が多い業務」を順に回答してもらったところ、「請求業務」「支払業務」に次いで「帳簿や伝票などの管理」「売上管理」の業務が多いことが分かった。ランキングの上位には決済に関する業務が多く、通常業務の大半は決済業務を行っていることが判明した。
さらに、年商10億円以上の企業に勤める経理の61%が「業務は年々忙しくなっている」と回答。「忙しくなっていない」と感じている人は全体の9%であり、経理の業務が楽になっていると感じている人は少数派だった。
対して年商10億円未満の企業では「忙しくなっている」と感じている人は10%、「やや忙しくなっている」と感じている人は25%だった。「変わらない」と感じている人が最も多い42%となり、年商10億円以上の企業よりは業務量が忙しくなっていない傾向となった。年商10億円以上の企業に勤める経理と年商10億円以下の企業に勤める経理の回答では大きく差がでた。
また、年商10億円以上の企業に勤める経理の70%が今よりも大きな、経営管理などの価値創造に携わりたいと回答した。現在行っている業務への満足度を「今よりも大きな価値創造に取り組みたいと感じますか?」という質問によって聞いたところ、年商10億円以上の企業に勤める経理では、19%が「率先して取り組みたい」、51%が「チャンスや機会があれば取り組みたい」と回答。
対して年商10億円未満の企業に勤める経理では、6%が「率先して取り組みたい」、41%が「チャンスや機会があれば取り組みたい」と回答した。
そして最後に、DXの普及に対する注目度を聞いたところ、11%が「すでに普及している」と回答し、身の回りの変革を感じていることが分かった。21%が「今年度中に普及する」、41%が「来年度以降に普及する」と回答。
一方、今後DXが業務に関わってくると思うか、またはすでに関わっているかを聞いたところ、「すでに関わっている」と回答した人はわずか5%だった。「あまり業務に関わらないと思う」もしくは「業務に関わらないと思う」と回答した人が70%という結果となった。DXが社会に普及していく予測はしているものの、経理の業務にDXが関わってくるイメージがついていない人が多いことが同調査で分かった。