2022年初頭のSEMIの予測では、2022年の前工程投資額を前年比13%増としていたことから、2か月ほどで上方修正が行われたこととなる。2020年は同17%増、2021年も同42%増と2桁成長を続けてきており、3年連続の2桁成長は2016年から2018年にかけて達成されたもの以来となる(その前の記録としては1990年代中ごろまでさかのぼる)。
国・地域別で見た投資額は台湾が前年比56%増の350億ドルでトップ、次いで韓国が同9%増の260億ドル、3位が中国で同30%減の175億ドルとなっている。このほかの地域では、欧州/中東が同248%の96億ドルと大きく伸びる見通しとしているほか、米州については2023年に投資のピークを向かえ、その額は98億ドルとなるとSEMIでは予測している。
また、2022年における全世界のファブ生産能力は同8%増、2023年も同6%増と伸び、2023年の月産枚数は2900万枚(200mmウェハ換算)と予測されている。2022年の装置投資額の83%以上を占めるのが150のファブ/ラインの生産能力拡張によるものとなるほか、ファウンドリ分野の投資額は全体の約50%を占め、メモリの35%と併せて、この2分野が投資の大半を担う見込みだという。
SEMIのプレジデント兼CEOのAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は、「全世界の半導体製造装置投資額が史上初めて1000億ドルを上回るのは、半導体産業にとっても大きな歴史的マイルストーンとなる。この成果は、デジタル社会に向けたエレクトロニクスを実現するために、業界が絶え間ない生産能力の拡大やアップグレードを続け、多様な市場や新たなアプリケーションに対応し、業界の長期的成長予測を確固たるものにしてきた結果だと思う」と述べている。
また、SEMIのコーポレートマーケティングおよび市場情報担当VPの Sanjay Malhotra(サンジェイ・マルホトラ)氏は、「世界のファブ装置投資額は2023年も好調が予測されており、2022年に引き続き1000億ドルをやや上回るものと見込んでおり、安定した成長を見せると予測している」としている。