みずほフィナンシャルグループとグーグル・クラウド・ジャパンは3月23日、デジタルトランスフォーメーション(DX)分野における戦略的提携に合意したと発表した。

グローバルで開かれた総合金融グループを掲げるみずほと、クラウドサービスに強みを持つGoogle Cloudは各々の強みである、“総合的な金融サービスの提供力”と“クラウドサービスの提供力”を融合し、日本に加え、アジア、世界の金融サービスの発展と新しい金融サービスの協創に取り組むという。

両者は以下の4項目に共同で取り組み、複層的にDXを推進していく。

1. ハイパー・パーソナライズド・マーケティングの実現
了承を得て提供してもらう顧客情報や、みずほを利用する中での各種取引情報を活用し、顧客ごとに最適化されたコミュニケーションを行うハイパー・パーソナライズド・マーケティングをグループ全体で実現するため、Google CloudのAI技術を活用して顧客接点となるデジタルチャネルを強化・拡充する。

第1弾として、Google Analyticsとデジタルマーケティング基盤を連携させ、それらをGoogle Cloud上に構築し、デジタルチャネルと連携させることで、各顧客に適した案内方法で商品・サービスを提案し、デジタルチャネル上で購入・利用が完結する新たな顧客体験を提供する。

2. 先進的な金融サービスの実現
Google Cloudを基盤とした新たなプラットフォームを構築し、BaaS(Banking as a Service:サービスのフロント部分のみを事業者などに提供し、バックグラウンドで銀行の機能を提供すること)やDigital Bankなど、先進的な金融サービスの実現に向け取り組む。これにより、マーケティングの高度化にとどまらない、金融サービス自体のイノベーションを目指す。

3. 顧客ニーズに迅速に応えるシステム開発
Google Cloudが蓄積・構築してきた最先端のセキュリティエンジニアリングのノウハウおよび開発プロセスを取り入れ、高品質で迅速なシステム開発、およびUI/UXの改善を行うことで、迅速に顧客ニーズに応える。

4. 企業カルチャーの変革
Google Cloudのコンサルティングサービスや知見を活用することで、生産的で柔軟な働き方を実現し、イノベーティブな企業カルチャーへと変革していく。

みずほフィナンシャルグループ執行役社長の木原正裕氏は「デジタル化や少子高齢化、グローバル化といったメガトレンドに加えて、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を契機に、人々の生活や経済・社会のあり方が大きく、かつ急激に変化しています。そうした新たな時代のお客さまニーズに対応すべく、GoogleとともにDXを進められることは、みずほにとって大きな力になると考えます。お客さまの声に真摯に向き合い、ニーズの変化にいち早くお応えできるよう、オンライン、モバイル、事務、店舗、人材開発、企業文化など多方面で DX に取り組みます。本提携を通じて新たなイノベーションをグループ全体で協創し、お客さまから今まで以上に必要とされ頼りにされる、より強力で強靭な金融グループを目指して参りたいと思います」とコメント。

一方、Google Cloud CEOのThomas Kurian(トマス・キュリアン)氏は「日本の金融業界では、リアルタイム データ、アナリティクス、人工知能・機械学習など、クラウド技術の活用が急速に進んでいます。こうしたトレンドを取り入れ、デジタルトランスフォーメーションのプロジェクトにGoogle Cloudを展開していくという、みずほフィナンシャルグループのクラウド化に協力できることをうれしく思っています」と述べている。