Samsung Electronicsが、後工程(パッケージング)分野の競争力強化に向け、半導体事業を統括するデバイスソリューション(DS)事業部門傘下のグローバル製造&インフラストラクチャ統括組織内にTest & Package Centerを設置したと韓国の複数メディアが報じている。

  • Samsung Electronicsの後工程工場

    Samsung Electronicsの後工程工場群(韓国牙山市温陽) (出所:Samsung Media Library)

グローバル製造&インフラストラクチャ統括組織は、海外を含む半導体工場(ファブ)の製造・生産設備の構築と運営のためのチームで、半導体製造に必要な設備からガス、化学薬品、電気、純水、環境安全まですべてのインフラの構築・運営を担っており、傘下にメモリ製造技術センター、ファウンドリ製造技術センター、インフラ技術センター、環境安全センターなどがある。

近年、パッケージングは半導体の性能を左右する要素として注目を集めているが、Test & Package Centerは、そうした先端パッケージングおよびテストの中心的な組織になるとみられる。すでにファウンドリ分野では、競合のTSMCやIntelも異種集積(Heterogeneous Integration)など、新たなパッケージング技術に集中して投資を行っている。例えばTSMCは、台湾に半導体パッケージ工場を新築するとともに日本に3D-IC研究開発(R&D)センターを設置した。一方のIntelも、マレーシアとイタリアにそれぞれ70億ドル(約8200億円)と80億ユーロ(9500億円)を投入してパッケージ工場を建設する計画を掲げている。

Samsungは2015年、AppleのiPhone向けアプリケーションプロセッサ(AP)の生産委託先が「ファンアウト-ウェハレベルパッケージ(FO-WLP)」を導入したTSMCに変更されて以降、パッケージングに注力する姿勢を見せており、次世代パッケージング技術の1つとされるパネルレベルパッケージ(PLP)事業を、グループ会社のSamsung Electro-Mechanics(サムスン電機)から導入しており、最近は、3D-ICパッケージングの開発にも注力しているという。

  • Samsungの2Dおよび3D-ICパッケージングイメージ

    Samsungの2Dおよび3D-ICパッケージングイメージ (出所:Samsung Electronics)