西日本電信電話 三重支店(以下、NTT西日本)とNTTビジネスソリューションズ(以下、NTT-BS)は3月22日、三重県志摩市および三重交通の協力のもとで、ビジネスチャットと、RPA(Robotic Process Automation:ロボットによる業務自動化)ツールを連携した実証実験の結果を公表した。
今回の実証実験では、ビジネスチャットとして「elgana(エルガナ)」を使用し、RPAツールとしては「WinActor」とその拡張機能である「WinActor Brain NaRuKami運用サポーター」を使用した。
志摩市では迅速な災害対策を目的として、土砂災害情報提供システムが閾値を超えた場合に関係職員の出勤を定めている。しかし同システムは通知機能を備えておらず、市職員は休日や夜間にもシステムに都度アクセスして土壌雨量指数を確認していた。また、指数が閾値を超えた際には気付いた職員がほかの職員に電話で呼びかけており、速やかな連絡が課題であった。
そこで同市は同実証において、防災システムをRPAツールで監視し、ビジネスチャットと連携させることで、閾値を超えた際に通知するシステムの効果を検証した。実証実験の結果、13人の職員に対して年間130時間の削減効果を期待できることが示されたという。また、システムの定期的な確認が不要となることで、心理的な負担も軽減できるとしている。
三重交通は紙資源の削減を目的として、ビジネスチャットとRPAツールの連携に取り組んだ。従来は複合機ごとに個人の紙利用枚数を集計していたが、機種によって収集方法が異なることから全社横断的な紙の使用量を把握できていなかったという。
そこで同実証では、「WinActor」を使用して本社組織の各複合機の紙利用枚数データを収集し、組織ごとの使用量や月ごとの比較を自動的に一覧表示する仕組みを構築した。さらに「elgana」を利用することで、各組織の組織長に対して通知が可能な形式としたとのことだ。
実証の結果、紙の使用量の推移や他部署との比較が可視化されたことで、具体的な削減目標に対するアクションが取れるようになったとしている。