Check Point Software Technologiesの研究部門であるCheck Point Researchがこのほど、ロシアによるウクライナ侵攻が開始された前後におけるサイバー攻撃の傾向の分析結果として、中国のIPアドレスからのサイバー攻撃がNATO諸国に対して116%、世界全体でも72%増加したことが判明したと伝えた。

  • Cyber Attacks from Chinese IPs on NATO Countries Surge by 116% - Check Point Software

    Cyber Attacks from Chinese IPs on NATO Countries Surge by 116% - Check Point Software

Check Point Researchのレポートによると、2022年3月14日の週における中国IPアドレスからの組織ごとのサイバー攻撃は、週平均でロシアによるウクライナ侵攻前よりも72%多く、また侵攻後の最初の3週間と比べても60%多かったという。NATO諸国の組織ネットワークに対する攻撃に限定すると、侵攻前よりも116%、侵攻後の最初の3週間よりも86%多かったとのこと。これは同じ期間の世界全体でのサイバー攻撃の増加と比べても大幅に多い結果だという。

ただし、Check Point Researchはこれらのサイバー攻撃と中国国内の組織や中国の既知の脅威アクターを結びつける証拠は得られていないと強調している。Check Point Researchでは、中国内外のハッカーがサイバー攻撃のためのリソースとして中国のIPアドレスを積極的に利用しているのではないかと分析している。

あわせて、ロシアによるウクライナ侵攻に関連して、中国のIPアドレスだけでなく世界全体でのサイバー攻撃の傾向についての観測結果も公表されている。侵攻直後はウクライナの政府・軍用部門に対するサイバー攻撃が脅威的な急増を見せたものの、その後はその他のすべての地域でもサイバー攻撃が大幅に増加したことが明らかになっている。