半導体市場動向調査会社である仏Yole Développementによると、2021年のMCU(マイコン)市場は、前年比17%増の189億ドルとなったという。また、同市場は今後年平均8.6%で成長し、2026年には264億ドルに達するとも予測している。
マイコン市場は、売り上げ上位5社で世界シェア80%を超しており、2020年のシェアはトップがルネサス エレクトロニクスで19%、2位がNXP Semiconductorsで18%、Infineon Technologies17.5%、STMicroelectronics14%、Microchip Technology13%と続く(2021年のデータは未発表)。上位3社のシェアは、為替レートで変動するほど僅差で、熾烈なシェア争いが繰り広げられていると言える。
マイコン市場をコンシューマ向けとパーソナルデータプロセス向けに分けてみると、コンシューマ用は今後も成長が進むことが期待されているが、パーソナルデータプロセス向けは2021年をピークに減少に転じるとYoleでは予測している。
ただし、出荷数量ベースとしては、2021の前年比13%増の290億個程度から、2026年には350億個を超える規模となる見通しで、中でもスマートカードおよびセキュア向けマイコンが圧倒的に多く、次いで個人データ処理、産業・その他、コンシューマ、車載と続く見通しで、市場成長が期待される車載マイコンの量は全体の1割にも満たないとする。
なお、マイコンの製造に費やされたウェハ枚数は、2019年に80億枚近くの消費されたが、これが2026年には70億枚をやや超えるまでに減るとされている。これは、2019年段階では、200mmウェハと300mmウェハの使用枚数が拮抗してほぼ40億枚ずつであったものが、300mm化の急速な進展により、毎年3000mmウェハの割合が増えていくためで、2026年までに7割以上が300mm化されるためだとしている。