凸版印刷は3月17日、物流支援ロボットなどを開発・提供するZMPと共同で、ロボットを管理するクラウドシステムとエレベーターを制御するシステム間のセキュリティ通信に関する実証実験を実施したことを発表した。

近年、AIやロボティクスの技術革新により、ロボットを実社会へ導入する検討が進んでいるが、オフィスビルや商業施設では、施設入退場のセキュリティゲートの通過や施設内移動時のエレベーター利用などが、ロボット活用の障壁になっている。ビル内でのロボット活用においては、ロボットの制御システムとビル管理システム間の安全な連携が必要だ。

  • 同実証実験のイメージ図

両社が実施した実証では、建物内に設置するエレベーターを制御するシステムに、凸版印刷のIoTデバイス向けセキュアエレメント「Edge Safe」を組み込み、ZMPのロボット管理クラウドシステム「ROBO-HI」との間で、データを送受信した。

また、凸版印刷の配信クラウドサービスから「Edge Safe」へ電子証明・鍵配信を行うことで、「ROBO-HI」間との暗号通信が可能となり、セキュアな通信を実現したという。

両社は今後、同実証実験で得た知見を生かし、「Edge Safe」を組み込んだロボットとエレベーター制御システムや入退室ゲート制御システムとのセキュリティ通信による、ロボットの自立移動の検証を行う予定。安全に利用できるロボットの導入および、ビルのスマート化に向け、同サービスの開発を進めていく考えだ。