3月16日から18日にかけて東京ビッグサイトで開催されている日本ものづくりワールド2022内「第4回 次世代3Dプリンタ展」で三菱電機は2022年3月1日に発売を開始したばかりのワイヤーレーザ金属3Dプリンタ「AZ600」の実機展示を行っている。
AZ600は空間同時5軸制御と加工条件を協調制御するデジタル造形技術により三次元造形が可能な金属3Dプリンタ。
従来の金属3Dプリンタの材料供給方式は、粉末方式とワイヤー方式の2種に大別され、 粉末方式は、複雑で高精度な造形が可能だが、材料の保管、環境への影響、材料コストなどで課題があり、ワイヤー方式においても、熱源にアーク放電を用いる場合が多かったため、素材の熱ひずみや熱影響層が大きく、高精度な造形が困難であるという課題があったという。
そこで、同社は今回、ワイヤー方式においても、熱源の制御性に優れたレーザ光を使用することで造形状態に応じた適切な入熱制御を容易にし、ワイヤー材によるメリットと造形精度の両立を可能とした。
また、ニアネットシェイプ工法の採用で、材料の総形削りによる従来の製造工程と比べ加工時間と廃棄材料を約80%削減し、省エネルギーと省資源化を実現しているという。
また、空間同時5軸制御によって、従来は熟練者の手作業に頼っていたTIG溶接の代替が可能。
ブースの担当者によればニアネットシェイプ化や肉盛り補修、溶接といった用途で引き合いがあるという。
ブースでは、電子ビーム金属3Dプリンタ「EZ300」の造形物サンプルも紹介されていた。EZ300は、2019年8月に発売が開始された、電子ビームを熱源とする粉末床溶融結合方式を用いた金属3Dプリンタ。
加工速度と加工継続時間に強みを持ち、生産性向上に貢献できるという。
EZ300は、製造現場だけでなく大学などの研究機関でも引き合いが多いとのことだ。
AZ600は開催期間中の10時30分から16時30分までの間、1時間おきに造形デモを行っている。なお、3月18日は、15時30分からのデモが最終となっている。