3月16日から18日にかけて東京ビッグサイトで開催されている「第13回国際二次電池展」(バッテリージャパン)でOKIエンジニアリングは、「リチウムイオン電池の焼損事故解析サービス」について紹介をしている。

  • OKIエンジニアリングのブースの様子

    第13回国際二次電池展でのOKIエンジニアリングのブースの様子

同サービスは、モバイル機器やウェアラブル端末などに搭載されるリチウムイオン電池の焼損事故時に原因特定を行うもの。

リチウムイオン電池の利用の拡大に伴い、発火や発煙の事故が多発しており、メーカーには製品事故時の迅速な調査や対策が求められている。また、事故発生時、企業は多くの場合、エンドユーザーや製品評価技術基盤機構(NITE)に対する調査報告書の提出を求められるが、電池単体に起因するものなのか、ユーザーの使用環境によるものなのかを特定するのは困難だという。

OKIエンジニアリングは、焼損事故解析ニーズの高まりから、2019年から行っている二次電池搭載機器向けの信頼性試験の受託サービスに使用している設備や知見を活かす形で、2021年3月よりリチウムイオン電池の焼損事故解析サービスを開始した。

目視やデジタルマイクロスコープによる「外観検査」、電気測定によって不具合を確認する「電気特性検査」、内部の欠陥や不具合を確認する「X線CT検査」、防爆対策を行ったグローブボックス内で内部を観察する「分解検査」といった解析項目によって事故原因を調査する。同サービスで作成された調査報告書は、第三者による調査結果としてエンドユーザーやNITEへ提出することが可能だという。

  • 電動自転車のバッテリーの焼損事例

    電動自転車のバッテリーの焼損事例(同社内で意図的に焼損させたもの)

  • ドライブレコーダー搭載のバッテリーの焼損事例

    ドライブレコーダー搭載のバッテリーの焼損事例(同社内で意図的に焼損させたもの)

また、同サービスはセラミックコンデンサの故障解析にも応用が可能だ。

そして、同社では新たに防爆施設を導入し、2022年秋より「リチウム電池のストレス評価サービス」を開始する予定だ。

ストレス評価サービスでは、過充電による電池内部温度上昇や実使用環境を模擬した外部加熱のストレスに対するリチウムイオン電池の評価を行う。同サービスの開始で、焼損事故を起こした製品の改良品テストなども行うことができるという。